第17話英雄
樹は廊下を歩いていると目の前から色紙を 二枚持った男子生徒が走ってきた。
「あの……サインください!!!」
男子生徒は樹達の目の前で足を止めて、そう言いながら千鶴と樹に一枚ずつ色紙を渡した。
「私もサイン欲しい!」
「俺も!」
いつの間にか長蛇の列ができ、学校の廊下がサイン会場のようになっていた。
「赤身屋これは一体どういうことだ、説明してくれ!」
樹は近くを通り掛かった赤身屋にそういった。
「説明ならさっきしたじゃないあなた達2人はこの学校の英雄なんだって」
「英雄がこの学校にいるとなれば、サインをもらいたいと思うのは普通のことじゃない?」
「わかったから、少し手伝ってくれ」
「あたくしからもお願いします」
樹達は今日合わせて、そういった。
1時間後ゆっくりと、生徒達は、はけていった。
「赤身屋ありがとう、おかげで助かったよ」
「ありがとうございました」
樹達は少し疲れた表情でそういった。
「いやー、有名人も大変だね」
「それじゃあ、私は教室に戻るからまた何かあったら笑顔で見守っててあげるね」
赤身屋は悪戯っぽく笑いながらそういった。
「いや手伝ってくれよ!」
樹も少し笑いながらそういった。
「まあいいや、とりあえず、次の授業が始まる時間だから教室に戻ろう」
「そうだな」
「そうですね」
樹達は教室へと戻り自分達の席に座った。
「今から数学のテストをやるから、このプリントを後ろに回して行ってくれ」
先生がそう言うと、生徒達がプリントを後ろに回していった。
「はい樹くん」
「ありがとう」
樹はそう言ってプリントを受け取り千鶴に一枚プリントを渡した。
「先生お手洗いに行ってきていいですか?」
赤身屋は椅子から立ち上がり、そういった。
「早めに戻ってこいよ」
「はーい」
赤身屋は先生にそう言って一番後ろの樹達の席がある方を通った。
そして赤身屋は周りの生徒達にバレないように注意を払いながら樹の耳に向かって小さな声でこう言った。
「休み時間の時千鶴さんと一緒に屋上に来て」
その時の赤身屋の声と表情は少し焦っているようだった。
「ああ、わかった!」
樹がそう言うと赤身屋は安心した表情で教室を出ていった。
「なんで赤身屋さん前の方の席なのに、わざわざ後ろの方の扉から出て行ったんだろう?」
「そんなのいいから、今は授業に集中しろよ」
近くに座っている生徒達2人がそういった。
樹達は気にせず問題を解いていった。
10分後
樹達は問題を解き終えた。
「千鶴今話しても大丈夫かな?」
はい、大丈夫ですよ、もう時終わりましたから」
「実は赤身屋に千鶴と2人で屋上に来てくれって言われたんだがついてきてもらっていいか?」
「はい、お安い御用です」
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