第15話害者
「それでは最後に3回目のいじめの時の状況について説明してもらえるかな?」
「はい!」
千鶴は力強く頷いて校長先生にそう言った。
「3回目のいじめの時は、あたくし達と松井くんはいじめを受ける前に廊下で会っています」
「その時の松井くんの手は酷く震えていました」
「あたくしはその手を見て確信しました松井くんはこれからいじめられると」
「ですが、あたくしとお兄様は松井くんがいじめられてるという証拠をとるために、あえて止めることはしませんでした」
「松井くん一つ確認したいんですが中学はそこにいる3人と一緒だったんですよね?」
「はい!間違いありません」
「だとするといじめを受けたのはこの高校に来てからではなく中学の時から受けていたという方が可能性としては高そうですね!」
樹がそう言うと勢いよく3人の男子生徒が立ち上がり長いこと閉じていた口を開いて、こう言った。
「そんなの全部デタラメだ!」
「このにつきってやつが録画したやつを編集して自分達の都合の良いものにきっと書き換えたんだ!」
「それにお前は何らかの資格を取得してるみたいだからな、編集するのも容易いんだろう!」
男子生徒の中の1人が樹の方を指で指しながら強い口調でそういった。
「なら私がもしそのようなことをしたとして何のメリットがあると言うんですか?」
「そんなの知らねーよ!どうせこいつの金でも狙ってたんだろう!」
「お金かその様なものが私にあっても無意味だと思うんだがな!」
「とにかく証拠は上がってるんだ、いい加減諦めたらどうなんだ」
「確かに樹くんの言う通り、ここまでの証拠が揃っていて、しらを切ることはできないと思うぞ?」
校長先生は男子生徒達の顔を見ながらそう言った。
「うるさい!」
「おい!お前ら行くぞ!」
男子生徒がそう言って職員室のドアに手をかけて開けるとそこには10人程の生徒がいて入り口を塞いでいた。
「あなた達これは一体どういうことですか!」
教頭先生は少し驚いた表情でそういった。
「私が頼んだんですよ」
「樹くんが!」
「この人達が逃げないように入り口を塞いどいてくれってね」
「教頭先生、俺達こいつらに、ずっとカツアゲされてきたんです、どうにかしてください!」
「カツアゲされてたのって、松井くんだけじゃなかったのね!」
教頭先生は再び驚いた表情でそういった。
「ええここにいる生徒達全員がそうなんです」
「おい、お前達、土下座して俺達に謝れよ今までたくさんの人を脅してすいませんでしたってな」
男子生徒達はすぐに泣きながら土下座をして謝った。
それからしばらくして松井をいじめていた男子生徒3人は行き過ぎた行動が問題となり、退学になった。
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