第10話お兄様のすごさ!
「いってらっしゃいませ、お兄様」
「ああ、なるべく早く戻るようにするから」
「あ!樹様もしよかったら、これを」
アーロンドはそう言いながら樹に弁当を手渡した。
「ありがとう」
「それじゃあ、行ってくるな千鶴」
樹はそう言いながら少ししゃがみ千鶴の頭を優しくなれた。
そして千鶴達は玄関で樹を見送った後ロゼが千鶴にこう言った。
「ねーねー千鶴様、せっかくの休みなんだし早速何かして遊ぼうよ!」
ロゼは目を輝かせながら、そういった。
「こら!ロゼ私達は先に掃除でしょ」
アーロンドはそう言いながらロゼが来ているメイド服のエリをぐとつかみ掃除をする場所へと連れて行った!
「やだやだ、私は千鶴様と一緒に遊びたいんだーーー!」
千鶴はその光景を見て微笑ましく感じていた。
「さてこれからあたくしは何をしましょうかね」
「あっ!そうだ、少し前にお兄様が言っていた二階の書斎に行ってみましょう」
そして千鶴が二階に上がってみるとそこには数えきれないほどの本棚が並べられていた。
千鶴が本棚の中を見てみると新しいものから古いものまで色々なジャンルのものが揃っていた。
千鶴が見渡す限り中に入っていたのは小説、歴史物理学だった。
千鶴は少し歩きながら自分が読みたい本がないか探した。
すると千鶴の目に飛び込んできたのは人間を観察する時に使える、脳科学の本と書かれたものだった。
千鶴はその本を手に取り、近くのテーブルに座り、本を読み始めた。
「ヘヘ千鶴様って、随分と難しそうな本を読むんですね」
千鶴が少し顔を上げるとロゼが本をのぞき込むように見ていた。
千鶴は部屋の中にある時計を見て、時間を確認するとあれから3時間が経過していた。
「あ!もうこんな時間なんですね」
千鶴はそういった後、一階へと降りていった。
「千鶴様もうちょっとでお昼ごはんができるので、待っててくださいね」
「はい!」
千鶴はそういった後ロゼと一緒にテーブルに座り、しばらく雑談をした。
10分後。
「皆さん、ご飯ができましたよ」
アーロンドがそういうとテーブルにみんなが集まってきた。
「それでは、いただきます」
「皆さんが来る前に千鶴様とそういえばみなさんが樹様のところで働くきっかけになったのって何なんでしょうねって話してて」
「ロゼさんがここで働くきっかけになったのって何なんですか?」
「私達のお父さんは外国人でお母さんが日本人なんですよ」
そして、お母さんは私達がまだ小さい時に旅館を立ち上げたんですけどしばらくしないうちに一人のお客様が来て。
「お母さんはそのお客様に謎の書類を見せられて」
「その書類に書いてあった内容っていうのがうちの旅館を売り飛ばすっていう内容だったんです」
「もちろん、お母さんは必死に拒否したんですけどその人は無理やり書類に犯行を押させようとして」
「その時にたまたまうちの旅館に泊まりに来ていた樹様がその人がうちの旅館に入ってくる前にしていた電話の内容を聞いてたみたいで」
「その電話の内容っていうのがうちの旅館を売り飛ばして高級ホテルを立てるっていうものだったみたいです」
「樹様はその内容をその人がいる前で説明してくれて」
「そしたら、その人は青ざめた表情で出て行きました」
「その時、私達は決めたんです樹様についていこうって」
「そうだよなぁ、あの時樹様がいなかったら今あの旅館は潰れてたんだからな」
「そう考えると、樹様には感謝してもしきれないなぁ
アーロンドは少しほっとした表情でそういった。
「次は私が話をしてもよろしいでしょうか?」
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