死にたくないので王国を乗っ取らせていただきます!!
第0話 ゲーム上の正史 (読む必要はないです)
王宮で開催されている夜会の喧騒の中、1組の男女と1人の女性が対峙していた。
「すまない、ミリア。私との婚約を破棄して欲しい。私は真実の愛を見つけたんだ」
「お願いします。私は王子を愛しているんです」
王子による突然の言葉にミリアと呼ばれた令嬢の動きが止まる。本当に事前に何の話もなく言われたのだろう、令嬢の表情は驚きで埋め尽くされていた。王子の隣に立っている令嬢の追い打ちのような言葉にも反応することはなく、ミリアと呼ばれた令嬢は体が石になってしまったかのように微動だにしない。
王子の突然の言葉を聞いていた野次馬がさらに騒ぎ立てる。どうやらこの話をしている場所に居る人の中に令嬢を擁護する者は居ないようだった。
公爵令嬢は何も発言することなく、夜会を後にしていった。
これが王国の歴史を動かすことになる夜会の一幕である。
一部の真っ当な思考をしている者たちは総じてこの状況をこう話した。
「王子側が大人数で囲み煽り立てる様子は、まるで公開処刑のようだった」
そして、何事もなく正規のルートで物語は進みこの公爵令嬢は誰に看取られることもなく自ら命を絶った。
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