第5話

とある場所にて

数人の魔女達が映像越しに会議を開いていた。


魔女A「全員揃ったか。」

魔女B「いや、まだいつもの遅刻魔がきてないねぇ〜。」

魔女C「もう帰っていい〜?」

魔女D「…。」

パチンと誰かが指を鳴らすと魔女が1人増えた。

魔女E「あれぇ。今日集会だった??めんごめんご〜。」

魔女A「はぁ…。あなたこれで何回目なんですか。そろそろ魔女の上に立つ身としての意識を持って下さい。」

魔女E「テヘヘ。」

魔女F「まぁ彼女は魔女に新しい希望を運んでくれるかもしれませんから、あまり縛りつけない方がいいですよ。でもあなたも集会の日時くらいは覚えておいて下さいね。」

魔女E「は〜い」

魔女G「それでは、本題に入ります。本日の議題は“あの闇の魔女”についてです。」



アルド達は王様に呼ばれミグランス城へ来ていた。用事が終わったので村へ帰ろうと街を歩いていると、正面から歩いてきた女性とエイミがすれ違いざまにぶつかった。

エイミ「きゃ!」

女性「あっ!ごめんね〜!前見てなかった〜!・・・ってやばいやばい。みんなから分けてもらったのに〜。」

女性の持っていたものが地面に散らばってしまった。

アルド「凄い量の野菜だな。これどこへ運ぶ予定なんだ。」

女性「これはねぇ〜。お家に運んでるの〜。この野菜ほんとに美味しいんだよ〜。良かったらいる?」

そう言って女性はアルド達全員に野菜を手渡した。

女性「ぶつかっちゃってごめんね〜。拾ってくれてチョーありがと。」

エイミ「こちらこそごめんなさいね。」

そういうと女性は去っていった。


女性が去った後。

アルド「いやそれにしてもすごい量の野菜持ってたな。」

エイミ「ほんとね!しかも私たちにくれたのにまだ結構あったわね。」

サイラス「凄いでござるな。何かパーティーでもするのでござろうか。」

リィカ「パーティー。そういえばもう少しでミグランス王国の収穫祭が行われますネ。」


別の日

以前見た女性が、今度は大量の魚を持っていた。

アルド「あの大量の魚どうしたんだ。」

エイミ「猟師の方ともだいぶ仲良いのかしらね。」

サイラス「いやそれにしても多くないでござるか?」

リィカ「セレナ海岸で獲れたものでしょうか。1日に釣り上げる量位ある気がしますが。」

アルド「ちょっと気になるな。街の人に聞いてみるか。」


〜酒場〜

店主「あの魔女のリリエラのことか?あの娘は明るくて凄く評判の魔女だよ。」

男性「魔女って嫌なイメージあったんだけど、リリエラに出会った魔女の印象が変わったよ。」

店主「あぁ、あの娘がきてから、魚や野菜も沢山取れるし、武器の材料だって集まりやすくなってるし本当に助かるよ。」

男性「本当だよな。復興のためにすごく働いてくれるし、知識も凄くて助かるよ。」


街の住人

女性「あぁリリエラかい。最近やってきた魔女なんだが、近くの森に引っ越してきたらしく、親交を深めたいとかで、ここらの住民には全員挨拶して、困っていることなど聞いて回っていたねぇ。そして住民の悩みを1つずつ叶えているみたいだよ。最初はみんな魔女だから相手にしなかったんだが、今では人気者さ。まだ若いのに大したものさ。」


アルド達は住民の声を聞いて周り、魔女の住んでいるという森へ行ってみることに。

森には魔物がおり、何度も戦いながら魔女の家を探すが、魔女の家は見つからず。一旦ユニガンへ戻ることに。

アルド「森に住んでるって行ってたけど、全然見つからないな。」

エイミ「魔女だから結界でも張っているんじゃないかしら。」

サイラス「そうなると街で魔女さんを見つけて話しかけるしかないでござるな。」

リィカ「リリエラさんは、皆様のお手伝いをよくしているみたいですので、街にいれば会える確率は高いかと思います。」

アルド「そうだな。一旦戻って街の中を探してみるか。」


アルド達は街の中を見て回る。

しかしこの日はリリエラに出会えなかった。


別の日

子供と遊ぶリリエラをユニガンで発見。

子供と遊び終わるのを待って話しかけることに。

アルド「リリエラ今時間いいか。」

リリエラ「あれ〜この前ぶつかった人たちじゃん。いつの間にか名前覚えられてるし私ってば結構有名?で用事は何かなぁ〜?」

アルド「リリエラはどうしてこの国の人たちの願いを叶えようとしてるんだ。」

リリエラ「う〜んそうだなぁ〜。やっぱり人生は楽しんだ方がいいじゃん。みんなと笑顔で過ごしたいなと思うから、だからお手伝いしてるんだよ!」

エイミ「素敵ね。」

リィカ「ベリーグーです。」

アルド「そういうことなら、俺らにも何か手伝えることはないか。」

リリエラ「そうだな〜そしたらみんなにもお手伝いしてもらっちゃおうかな。」


リリエラの手伝い(クエスト)をするアルド達。


リリエラ「よーしっ!今日はここまででOKだよ〜。」

アルド「やっと終わった…。」

リィカ「任務完了です。」

エイミ「あなたこんな大変なこと毎日1人でやっているの?」

リリエラ「そうだよ〜。みんなが笑顔になってくれるからね!それじゃあみんな明日は朝の6時からよろしくね!」

アルド「えっ…。」

リリエラ「あっ!もしかして泊まるところ決まってないの?」

アルド「いやそうじゃないんだけど…。」

リリエラ「?じゃあどうしたの?」

アルド「いやなんでもないよ。ところで後どのくらい手伝いは残ってるんだ。」

リリエラ「あとね〜。う〜んとね。今もらってるやつは明日で終わるかな?」

アルド「もうそんなに終わってるのか。」

リリエラ「うん。まぁそんなに1つの国に長居できないしね。明日で終わらせたいんだよねぇ〜。」

アルド「そうなのか。魔女って1つのところにあんまりとどまらないのか?」

リリエラ「そんなことないと思うけど。私は人探しをしてるから、いろんなところに行って情報を集めてるんだよね〜。」

アルド「人探し?」

リリエラ「うん。お友達のために、ずっと旅しながら探してるんだぁ。」

アルド「何か手掛かりは掴めたのか?」

リリエラ「う〜ん。まぁ居場所についてはわかってはいるんだけどね。なかなか手が出せないところにいるんだよねぇ〜。お友達も何か情報掴んだみたいだし、一度会って話すことになってるんだ。あっ!よかったらアルド達も力貸してくれないかな。詳しいことは明日の手伝い終わったらお話しするから、よろしくね〜。」

アルド「そうだな。取り敢えず明日の手伝い頑張ろうか。」

サイラス「そうでござるな。」

エイミ「いつもは人々の手伝いをしているリリエラの願いなんて貴重じゃない。リリエラにも幸せになって欲しいし、手伝うわ。」

リィカ「本日はどこに泊まりマスカ。」

アルド「あっ!?そうだった。今から泊まるところ見つかるかな。」

リリエラ「泊まるところないなら、私の家に泊まる?そしたら明日の朝も起こしてあげられるし。」

アルド「いいのか。お邪魔しちゃって。」

リリエラ「いいよいいよ〜。まぁあんまり広い家じゃないけど、寝るだけだったら大丈夫だよ〜。」


一行ユニガンからリリエラが住んでいるという森へ。

アルド「あれ。こここの前探したけど、家なんてなかったぞ。」

エイミ「そうだったわね。」

リリエラ「そりゃ〜見つかるわけないよ〜。だって見えないように結界を二重で張ってるもん。」

アルド「やっぱりそうだったのか。魔女は家に結界を張るのが当たり前なのか?」

リリエラ「まぁ魔女はひっそり人間に混ざりながら暮らしてるからね。私みたいに人に関わる人は多くないかもね。まぁ魔女のイメージが悪くなってるから仕方ないんだけどね。」


リリエラ「ここだよぉ〜。」

そう言って何もない空間に向かってリリエラが歩く。その後にアルド達が続くと、急に1軒の家が現れた。


アルド「おおっ!?」

サイラス「すごいでござるな。森の雰囲気も少し違うでござる。」

リィカ「先ほどいた森とは、生えている植物の種類なども違うようです。」

エイミ「魔女の家ってなんかもっと暗いイメージあったけど、真逆ね。」

リリエラ「まぁ私みるからに派手なもの好きだしね〜。さぁ入って入って〜。」


リリエラに促されアルド達はリリエラの家にはいる。リリエラの家は外から見た時より広く感じた。そして室内もとてもポップな感じだった。リリエラはそれぞれの部屋を案内し終わると食事を用意してくれた。

みんなが寝静まると、リリエラは屋根に上りただひたすら星空を眺めていた。

朝になるとリリエラはみんなを起こし、朝食を準備した。


リリエラ「みんな今日もよろしくね。サクサクっと終わらせちゃおうね!」

アルド「あぁ。よろしくな。」

リィカ「今日は一体何をされるのでしょうか。」

リリエラ「今日はね、もうすぐユニガンで開催される収穫祭の準備だよ〜。まずは食糧を集めにリンデ海岸に行って〜、その後火が落ちた後のためのランタンを作る感じかな〜。」

アルド「なるほど。ランタン必要になるのか。」

リリエラ「そうだよ〜。作り方は教えて貰えるみたいだから、大丈夫!それじゃあみんな朝食も食べたみたいだし、早速お魚取りに行くよ〜。」


アルド達は釣竿で1匹ずつ魚を捕まえる中、リリエラは1回で大量の魚を捕らえていた。目標の数をだいぶ早い時間で獲り終えた一行は、住民に魚を配り、余ったものは猫達にあげて回った。

ランタンについても、一度作り方を教えてもらっただけで、リリエラとリィカは覚えてしまい、こちらもすぐに完了した。


リリエラ「よぉ〜し!ユニガンでのお手伝いは以上だよ!!みんなありがとう!」

アルド「リリエラもお疲れ様。」

リリエラ「よしっ!!じゃあみんな疲れてると思うけどご飯食べたら移動するよ〜。」

そう言ってリリエラはみんなにおにぎりとスープを手渡した。ご飯を食べ終えた一行は早速目的地へと移動を始めた。

アルド「どこに向かっているんだ。」

リリエラ「霧の村だよ〜。知ってる?」

アルド「霧の村か。1回だけ事件解決しに行ったことあるんだが、記憶なくてなぁ〜。」

リリエラ「ヘェ〜そうなんだ!」

アルド「リリエラも霧の村行ったことあるのか。」

リリエラ「そうだね〜。昔私の師匠が住んでたからね〜。」

アルド「へぇ〜やっぱり魔女も師匠とかいるんだな!」

リリエラ「もちろんだよ〜!それぞれ得意な魔法とか違うしね。魔女が栄えてた時は学校とかもあったみたいなんだけどね。今はだいぶ減っちゃったからなぁ〜。」

アルド「魔女も結構大変なんだなぁ。」

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