第4話
ハルカが時空の穴に飲み込まれる少し前
ヒイロは自分の家へ戻る途中、森で1人の子供が魔物に襲われている場面に遭遇する。
ヒイロは一瞬無視しようとしたが、襲われている子供が最近仲良くなった人間の子供だと知ると、すぐに魔物を倒し子供を手当てするために自分の家へと連れて行った。
子供は血を流しすぎたせいか、体は冷え切ってしまい今にも死にそうであった。
魔女は禁忌であることを知りながらも、子供に自分の血を与えてしまう。
しばらくすると子供は血を与えられたことによる拒絶反応で高熱を出しうなされ始めた。
それと同時に辺り一体は急に霧に包まれ、魔女の館周辺の霧から徐々に毒夢へと変わって行った。
ヒイロは毒霧が広がる前に急いで結界、毒霧がまわっていない森の一部と隣の村へ結界を張った。
その後ヒイロはすぐに子供の元へ行き魔法の暴走を止めたるため、子供を魔法を使えないようにするシェルターの中に入れ眠りにつかせた。
ヒイロは黒マントを呼び出すと村から魔力が強い者を連れてくるように指示を出した。
ヒイロ「まずい…。さすがに魔女協会にバレてしまう…。その前にこの子だけは逃さないといけないな。」
現在
ヒイロ「先程、誰かがこの邸内に侵入したのは知っておるぞ。其奴らはどこへ行ったんじゃ。」
黒マント「それが、屋敷内にはいると思うのですが、どこかに逃げ隠れられてしまい…。」
ヒイロ「早くしろ。時間がないんじゃ。」
黒マント「はっ。今全部屋探しておりますので、すぐに捕らえます。」
ヒイロ「あぁわしも準備することがあるから、捕まえたら広間に集合するように。」
黒マント「承知しました。ヒイロ様。」
一方アルド達
マリエル「今からユウマさんに回復魔法を使いますね。傷の方はこれで癒えるかと思いますので、あとはシェルターから出て貰えば大丈夫そうですね。」
ユウマ「お願いします。」
マリエルが魔法を使う。
ユウマ「おっ!すごい。身体動かせるようになりました。」
アルド「それでこのシェルターどうやって開けるんだ?」
マリエル「どこかにボタンとか、開けられそうな部分ないんですか?」
アルド「いやなさそうだな。」
ユウマ「もしかしたら魔法でロックされてるかも。ここに入れられた時の記憶があんまりないんだけど、何かぶつぶつ言っているの聞こえた気がする。」
アルド「そうかぁ。それが何かわからないとユウマをここから出せそうにないな。」
マリエル「そうですね。」
アルド「ユウマしばらく1人にしちゃっても大丈夫か。」
ユウマ「うん。大丈夫だよ。その代わりヒイロ様のこと助けて。」
アルド「あぁ、出来る限りのことはやってみるよ。」
アルド「それでハルカそっちの方の準備は大丈夫そうか。」
ハルカ「…。」
アルド「ハルカ?大丈夫か。」
ハルカ「えっ!?…あっ…ごめんなさい。準備はちゃんとしてるわ。」
アルド「準備できてるなら、まぁ大丈夫か。ハルカもこの後バタバタするんだから少し休んでもいいんだぞ。」
ハルカ「ありがとうアルド。でも大丈夫よ。」
アルド「それならいいけど。まぁ無理するなよ。」
ハルカ「えぇ。よしっ。準備できたわ。広間に向かいましょう。」
アルド「あぁ。」
アルド達はユウマに別れを告げると部屋を出て、走って広間へと向かった。
黒マント「おい。奴ら見つけたぞ。」
アルド「げっ。早くないか。」
マリエル「あちら側もそれだけ私たちを捕らえることに本気ってことでしょう。」
ハルカ「えぇそうね。ユウマが言っていることが実際に起こるとしたらそんなに時間はないわね。」
アルド「間に合ってくれ。」
アルド達が広間に到着すると、すでに広間にはヒイロが立っていた。
ヒイロ「待っていたぞ。」
ハルカ「お会いできて良かったです。話はシェルターの中にいるユウマから聞いてます。」
ヒイロ「ユウマにあったのか。…。ユウマはまだ話せるような状態ではないはずだが?」
マリエル「回復魔法である程度の傷については修復しました。」
ヒイロ「そうか。しかしわしの目的とお主達とでは少し目的が違うようじゃな。」
するといつの間にかアルド達は黒マントに捕まって動けなくなっていた。
アルド「なっ…。」
ヒイロ「ハルカを借りるぞ。」
そう言うと黒マントはハルカをヒイロの元へと運んだ。
ヒイロ達が広間から姿を消した途端。
物凄く激しい轟音が聞こえ、玄関がブチ破られていた。
その反動でアルド・マリエルと2人を抑えていた黒マントはドアと反対側に吹き飛ばされた。
アルド「…っ。なんだ。」
マリエル「アルドさん大変です。玄関の方を見てください。」
アルドは玄関の方を見るとそこには複数の黒い影と巨大な何かがあった。
??「ヒイロここにいるのはわかっている。姿を隠してないで早く出てこい。」
一つの黒い影が玄関から広間へと近づいて来た。
アルドとマリエルはその影から発せされる怒りのオーラに押しつぶされそうになる感覚をなんとか耐えながら、その影が次に何をするのかをただ見つめていた。
??「ヒイロよ。出てこないならあぶりだすだけだぞ。ここにいる奴らも全て皆殺しにするぞ。」
するとヒイロが1人で姿を現した。
ヒイロ「うるさいぞ。ここにおる。」
??「お前何をしたかわかっているのか。人界にこんなに被害を出すとわ。」
ヒイロ「もちろんわかっておるぞ。だからこうして隠れずに出て来たんじゃよ。」
??「あぁそうか。それで元凶はどうした?」
ヒイロ「元凶?なんのことだ?」
??「シラを切るつもりか。この事態を引き起こしたのは貴様ではなく、違うものの仕業だとわかっているのだぞ。」
ヒイロ「あぁそうか。それなら心配はいらん。其奴は先程私が消したからな。」
??「…それは」
アルド「おい、お前ハルカをどこにやったんだ。」
アルドは黒い影とヒイロが話しているのを遮った。
ヒイロ「あやつはもうここにはおらんというたのじゃ。」
アルド「ふざけるな。俺らはあんたを守るためにここにいきたんだ。」
ヒイロ「わしはそんなことを頼んだ覚えはない。それじゃわしは行くからそこをどけ。」
アルド「そんなことさせるか。」
アルド・マリエルとヒイロの戦いが始まる。
アルド達は攻撃をするがヒイロへ全然攻撃があたらず。
アルド「くそっ。障壁があるみたいで全然攻撃が通らないぞ。」
ヒイロ「その程度か。全然話にならんな。」
そういうとヒイロはアルドとマリエルへ何かの魔法をかけた、それを喰らったアルドとマリエルは意識を失った。
??「茶番は終わったか。」
ヒイロ「あぁ、時間を取らせたな。」
ヒイロは玄関の前まで行くと黒い影のもの達に連れて行かれた。
アルドは夢を見ていた。
ハルカが少し寂しそうに別れを告げそして謝まった。
ハルカの右手は誰かを連れていた。その顔はあまり鮮明に見えなかったが、おそらくユウマなのではないかと思った。
??「てく…さい…。起きて下さい。アルドさん。」
誰かが呼んでいる。そう思うもののなかなか目を覚ますことができない。
??「アルド起きなさい。」
アルドはその声でやっと目を開けることができた。
アルド「あれ、ここは…。」
エイミ「ここは霧の村よ。アルド無事帰って来て良かったわ。」
アルド「…。ハルカ、ハルカはいるか?」
サイラス「ハルカって誰でござるか?」
アルド「…。ハルカって誰だ?とても大事なことな気がするんだが、思い出せないぞ。」
マリエル「アルドさんこんにちは。」
アルド「マリエルか。どうしてこんなところにいるんだ。」
マリエル「いやぁそれが猫を追っていたら、いつの間にか時空の穴に飲み込まれていたみたいで、目を覚ましたら皆さんとアルドさんがいらしたんです。」
アルド「そうか。マリエルも飲み込まれていたんだな。しかしその先で何が起こっていたのか全然思い出せないんだが。」
マリエル「そのことなんですが、私が目を覚ました時に手の中に1枚の紙が入ってまして、そこに“ありがとう”と書かれていました。」
アルド「ありがとうか…。なんだがそんなにスッキリしないな。」
リィカ「すいません。その紙少し貸してもらえますか?」
マリエル「はい。」
リィカ「この紙の下の部分に何か小さな文字で書かれています。“4/30 0:00”と書かれていマス。」
エイミ「4/30ってまだ先ね。そこで何か起こるのかしら。」
アルド「何かあるとして、どうしたらいいんだ。どこで起こるのか手掛かりもないしな。」
サイラス「そうでござるな。」
マリエル「ヴァルプルギス…。」
アルド「マリエル何か言ったか?」
マリエル「い、いえ独り言なので気にしないで下さい。その日はユニガンで収穫祭があるので是非遊びに来て下さいね。それでは私用事を思い出したので、ユニガンに戻ります。」
アルド「あぁまたな。」
エイミ「私達も一応問題解決したわけだし村長さんにご挨拶してバルオキーに戻りましょ。」
アルド「そうだな。」
アルド達は霧の村の村長に挨拶をし、バルオキーにいるおじいちゃんに完了の報告をした。
記憶を消されてしまっているアルド達は、何が起こるのかまだ予測できていないが、その日に向けて各々が動いていた。
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