第3話
黒マント側
黒マント1「ヒイロ様そろそろ準備が整ってきました。」
黒マント2「ただ、ユウマ様の容体は一向に安定しません…。」
ヒイロ「ユウマの事は気にするな、時期に力も尽きるだろう。それよりもあの女はまだ捕まえられんのか。」
黒マント1「申し訳ございません。ヒイロ様。あの女中々隙がなく。」
ヒイロ「ええぃ御託はいい。さっさと捕まえてこい。あの女がいないと始められんのだ。」
黒マント達「承知いたしました。」
黒マントの集団それぞれの仕事場へと散っていく。
ヒイロ「時間がない…。早くしなければ…。」
一方アルド・ハルカ・マリエルは、もう一度森へと向かう。
アルド「そういえば、ハルカはどうしてさっきは森にいたんだ。」
ハルカ「誰かの声が聞こえたのよ。声と言うよりは泣き声かしら。それで気になって森に行ったら、黒マントと鉢合わせになっちゃって。」
アルド「泣き声か…。それは気になるな。森でまた黒マントにであるかもしれないから注意しないとな。」
ハルカ「そうね。そしてその泣き声が聞こえたのは、初めてじゃないのよ。私がこの世界に飛ばされた日も聞こえたし、ただここ1週間くらいはより苦しそうな声のような気がするわ。」
ハルカ動きが止まる。
??「て…けて…。」
ハルカ「…。」
アルド「おい。どうしたんだ。何か聞こえるのか。」
ハルカ「アルド達には聞こえないの?」
??「た…けて…。たすけて。」
ハルカ「助けてって…。君はどこにいるの?」
しかしなんの返答もなかった。
ハルカ「子供の声で助けてって声が聞こえるんだけど、こっちからの問いかけには何も返答がないのよ…。」
アルド「声がどこから聞こえているかはわからないんだな。」
マリエル「もしかしたらこの結界の外側にその子がいるかもしれませんね。」
ハルカ「そうね。この森や村の方にはいないから、結界の外にいる可能性が高いわね。取り敢えず早速試してみましょう。少し危ないから離れてて。」
ハルカは森の奥に来ると、魔法で結界の一部に穴を開け、持っていた薬品を毒霧に振りかけた。すると薬品をかけた場所だけ色が消えた。
アルド「おっ!毒霧に効いたのか?」
ハルカ「少し待ってね。今データを取るから。」
そういうと懐から小さな杖を取り出し薬品をかけた場所へ杖を差し込んだ。
ハルカ「おっ!大丈夫そうだね!」
アルド「そしたら早速結界の外側を探索か?」
ハルカ「いや私もそうしたいんだけど。この薬品試作品だから量が少ないんだよね。だからもっと量を作らないと。私の魔法で増幅はできるけど、どれくらいの広さあるか分からないから、もう少し作っておかないと。急いで材料を集めましょう。」
アルド「そうか…。急ぎたい気持ちもあるが、目的の場所にたどり着けなかったら意味ないしな…。それで何を集めればいいんだ。」
アルド達は森の中で毒を無効にする薬品の材料を集めることに。
材料を集め、薬品が出来上がると、また先程の場所へ。
ハルカは結界の一部に穴を開けると薬品を撒き、道を作った。
ハルカ「それじゃあ、これから外側の世界を探検に行きます。外に何があるか分からないので、離れないようにして下さい。」
アルド「あぁ。」
ハルカ・アルド・マリエルの順番で結界を通り抜けるとハルカは開いていた結界を閉じた。
アルド達3人は彷徨いながらも、毒霧に飲まれていない1つの大きな館を発見した。
ハルカ「ここ完全に怪しいですね。」
アルド「あぁさすがにここが目的の場所だろう。」
マリエル「気をつけて進みましょう。」
アルド達達は慎重に館の扉を開けた。
館の中に足を踏み込んだ瞬間ハルカはうずくまった。
アルド「おい。どうしたんだ。」
ハルカ「うっ。頭が…。」
黒マント「そこで何をしている。」
気づくとあたりを黒マントに囲まれていた。
アルド「くそっ。囲まれた。」
??「こっち…。」
みると丸い玉みたいなものが宙に浮いており、そこから声が聞こえた。
??「みんなついて来て。」
アルド「ハルカ歩けるか?」
ハルカ「えぇなんとか。」
アルド達は黒マントを倒しながらその声の案内に基づいて1つの部屋へと逃げ込んだ。
アルド「ふぅ。一旦は撒いたか。」
逃げ込んだ部屋を見回すとアルド達をこの部屋へ導いた丸い玉はシェルターの中で寝ている子供の上に漂っていた。
??「おねぇさん助けにきてくれた人だよね?」
子供は目覚めずその変わる宙に浮いている丸い玉から声が聞こえる。
ハルカ「えぇ。あなたがずっと私を呼んでいたのね。」
丸い玉「うん。僕ユウマって言うの。」
ハルカ「ユウマくんは助けてほしいって言っていたけど、その
シェルターに閉じ込められているから助けてほしい?」
ユウマ「違うよ。今僕は怪我をしているから身体を動かせないの。あと魔力を暴走させてしまったからこの中にいるの。だから僕のことはいいの。ここの魔女に助けてもらったんだけど、この後よくないことが起こるからどうにか助けて欲しいんだ。」
アルド「ここに住んでいる魔女って今の状況を作り出している魔女だよな。」
ハルカ「えぇそうだと思うけど…。」
マリエル「助けるとはどう言うことでしょうか。」
ユウマ「あのね。魔法を暴走させたときに少し先の未来が見えたんだけどね。」
そう言ってユウマはこの後に起こる未来の話をし始めた。
ユウマの話を聞き終えたアルド達は作戦会議を始めた。
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