第3話 強襲型SASAKI(2)
一方ロボプロ内のあるクランでは、
隊長、アレックスの機体が破壊されました。
どうゆうことだ。アレックスには偵察を頼んだはずだが。
黒い機体による広範囲ビーム攻撃のようです。
あいつか。お前らアレックスがやられた。今日こそあいつに目にものを見せてやる。いくぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。
おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
そして
「鬼神を発見しました。」
「「「「「てめぇアレックスをよくもぉぉぉぉぉぉぉ」」」」」
一斉に約20機もの機体が迫る。彼の自慢の機動力でかわしつつ確実に1対1の状況を作っていく。
「お前またやりやがったな」
佐々木とこのクランとやりあうのはこれで4回目になる。
「いやー毎回リア充の先にいるから悪いんすよ。ここは戦場。勝者が全てわかりますか、噛ませ犬さん?」
「噛ませ犬じゃない。ケルベロスだ。」
「ごめん、間違ったわ。犬っころ。」
「てめぇ。」
佐々木は煽る。煽ることによって感情的になるのを狙っているのだ。人は感情的になると動きが直線的になる。そうすると彼は機動力を生かしやすくその状況を作り出そうとしている。
「よお、モブ」
「てめぇ」
すれ違いざまに煽り刀を突き刺す。スナイパーには副腕のビームガンで撃ち抜く。
「ああ、これいい盾だね。」
「お前、よくもケントを。」
彼が盾として持つのは敵機の残骸。その盾を持って迫る姿はまさに鬼神である。
「よくも仲間をやってくれたな。」
最後に残っていたのは隊長と呼ばれる男だ。彼はクランリーダーを務めているためそこそこいい機体であり、若干強い。彼の機体は赤く頭が3つある。ロボットのような頭ではなくケルベロスをモチーフにした獣の頭だ。それが人間の体についているところは歪で見ててダサい。本人曰くこれこそロマン。だそうだ。武器は刀と盾でそれぞれ血のような赤い色をしている。頭部からはビームが出るようになっている。
「なあ犬、もし俺に負けたらクラン名変更な。」
「なに?馬鹿を言え。これは復讐だ。」
「負けそうなのに?もしかして負けるってわかってるからか。」
「てめぇ。いいだろう。乗ってやる。お前が負けたらこのゲーム引退しろ。」
「いいよー。じゃあ負けたら三つ首の噛ませ犬にしといてね。よろしく。」
そう言うと戦いの火蓋が切られた。SASAKIは切り込むが盾に阻まれる。ケルベロス頭部のビームにより彼の装甲が削られる。負けじと副腕のビーム。ケルベロスは回避し下がった。それを待っていたかのようにブースターエンジンを点火。盾をもつ左腕を落とし蹴り上げる。彼の足が頭部に向かった瞬間一つの頭部が飛んだ。これをチャンスとばかりに大砲を構え爆撃。もろに当たったケルベロスはもう破壊寸前だ。
「てめぇ。やるじゃねぇか。こうなったらお前を巻き添えにしてでもぉぉぉぉ。」
ケルベロスは自爆の準備をし、爆破した。
強襲型SASAKIはその最後を見下ろす。
はあ。まったく疲れたな。だいぶ機体壊したし最後にあれやって帰るか。彼はそういうと主腕、副腕を前に突き出し、ほかのプレイヤーがいるところに向ける、すると
ホーミング完了
という機械音が聞こえた。
「じゃあなリア充ども。いつも通り大花火だ。食らえよ非リアパンチ。」
全ての腕が飛び出しそれぞれの機体の集団に向かっていく。ある地点まで到達すると腕はおもむろに爆発し大きな花火となった。落ちていくのは機体の残骸だったがその最後は美しかった。
「はあ、すっきりした。やっぱりストレス発散にはリア充爆破だな。」
彼は自分のコロニーまで戻り機体の整備をし、ログアウトした。
時刻は12時だった。
スマホを見ると33件の通知、彼は恐ろしくなりスマホと目を閉じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます