第2話 強襲型SASAKI
「ただいまーって誰もいないんだけどね。」
佐々木の親は転勤族であったため佐々木は今1人暮らしをしている。至って普通のアパートに暮らしている。特に隣人と仲がいいわけでもなく顔を合わせば挨拶する程度だ。玄関を入るとすぐ左手コンロや冷蔵庫があり、右手にはドアが2つ並んでいる。それぞれトイレと洗面台に続いている。ちなみにお風呂は洗面台を入ると右手にある。廊下を抜けるとリビング兼寝室がある。入り口付近にはテーブル奥にベットが配置されておりいたって普通の男子高校生の部屋だ。ただ一つ大きなダイブ型VR機器があるのを除いては。
よしっ今日もやるか。ゲームは何にしよう。とりあえずお腹すいたな。メシ食うか。
冷蔵庫を開けささっとチャーハンを作る。ちなみに佐々木はモテるために料理も人並みにはできる。案外彼には凝り性なところがあり料理にはまってしまったのは余談である。彼にとってはこんなの朝飯前だ。
時刻が7時を回ったころ彼はとあるゲームを手に取る。それはスペースロボットプロジェクト、通称ロボプロだ。このゲームはオープンワールドで構成されており。広大な宇宙で大多数乱戦できるというのがウリだ。コックピットがリアルで実際にロボットを操作しているみたいだと人気の一作でもある。彼も意外にはまっているおり自称ガチ勢だ。
起動
意識が吸い込まれる。空間がゆがみ目の前に広がるのが無限の大宇宙。星々が輝く一方であらゆるところから聞こえる爆発音。別世界にやってきたことをひしひしと感じる。そんな余韻に浸りながら彼は愛機を起動する。
いくぞ強襲型SASAKI。リア充どもを滅ぼそうぜ相棒。
彼の愛機である、強襲型SASAKIの紹介をしよう。この機体は機動力を重視したオールラウンダーな機体である。一つ目のように光るヘッドライトが付いたコックピットがある頭部、真っ黒なボディ、大量に積まれた武器、肩にある大砲、4本もある腕、異様にとがった足先に高出力ブースターエンジンを搭載している姿はまさに黒鬼のようだ。ほかのプレイヤーからは鬼神とも呼ばれているがそれはギルドやクランでのプレイ時で通常はリア充キラーと呼ばれている。
なぜ彼がリア充キラーなのか、それは彼がリア充を見ると真っ先に撃墜するという性格からだ。ロボプロには性別システムがある。しかし愛機の外見だけでは分からないため、腕についているライトやビーム、コックピットの色が変えられている。それにより男女の判別がつくようになっているのだ。
そんなこんなで彼の準備が整い大宇宙に進撃を開始した。ここから始まるのは理不尽な蹂躙である。ただ彼らは男女でゲームをプレイしたことを後悔することになるだろう。
さあいくぜぇぇぇぇぇ。リア充ども死ねぇぇぇぇぇぇ。
真っ先に見えたのは手を取り合い動かし方を教えるようなロボットたち、腕のライトが赤と青。
リア充は死刑、死刑、死刑だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
彼はそういうとおもむろにビームでできた刀を主腕に装備し、ブースターエンジンを起動、二人は何が起きたのか何も理解できなかった。弾丸のようなスピードで飛びだいた彼はすぐさま次の標的を発見する。並走する二人組だ。彼はSASAKIの肩にある大砲を彼らに向けた。敵機をロックオン。敵機を爆散、すると声が聞こえてきた。
ピピっ
「プレイヤーSASAKIに告ぐ、今すぐこんなことやめるんだ。」
明らかに正義の味方のような白い機体に後ろにつくピンク色の機体がSASAKIに話しかけてきた。
このゲームではPKは禁止されていないが彼がやっている行為は褒められたものではない。なぜならこのゲームはデスペナルティが存在する。その内容が鬼畜なのだ。機体を破壊された場合その機体は帰ってこない。そのためこうやって止めるものが出てくる。さあ佐々木、敵はリア充だ。力で捻じ伏せろ。
彼はこう答えた。
「リア充は死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。」
そして彼のボディにエネルギーを集約した。そして
「とくと味わえ、リア充死ねビーーーーーーーーーーーーーーーーム」
跡形もなく彼らは消えた。ご愁傷様です。リア充死ねビームは射程距離が長く、一人で動いている機体も破壊してしまった。
これはまずいな。どこかのクランの偵察部隊どかだったらまずいな。さすがに骨が折れそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます