No.1 「夢」と「事故」

私の所属している部活が終わり、下校時間と

なった。夏が始まりかけているせいか、7時

になっても日が落ちそうにない。


やることもないのでとりあえず帰宅をする。

いつも帰りに飲む缶コーヒーは、未だ

温かいままで私の手を温めている。

やることがないのは仕方ない。誰かと遊ぶ

わけでもないし、授業は真面目に受けているつもりだから補習など全くない。それに、

帰れば色々とできるからだ。土日を趣味の

ために使いたいので、さっさと週末課題やること

終わらせてしまいたい。


早足で帰路を辿っていた私。しかし、

部活動で疲れきり歩行のペースが落ちる

自分の足に対して、

「情けないなぁ…」

と、いつしかつぶやいていた。

綺麗なオレンジ色だった太陽は、いつしか

眩しい紅に染まっていた。

日が落ちるまでには帰宅したい。

そうして重たい足を早めた刹那、



左腕から、全身へ。

ものすごい勢いでぶつかるような衝撃が

私を襲った。

『あぁ…駄目だ…』

頭のクラクラが抑え込めない私は、

ただその場に倒れこむしかなかった……

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