第4話
私はお兄ちゃんが大好きだ、正直に言って、重度のブラコンといっても過言ではないと、自分でも思うほどに大好きなんだ....
でも、お兄ちゃんは、壊れてしまった。
そもそも、母からはまともな教育も愛情も受けていないのに、お兄ちゃんは私のことをずっと見ていてくれた...
でも、それがお兄ちゃんにとってどれだけ重い負担だったのか、それをあの頃の私は理解していなかった。
そして、きずかないまま甘え続けてきた結果が、今の最悪の状態であった。
あの頃のような、優しい気配はなくなってしまい、しまいには、喜び、怒り、哀み、の感情までも消えてしまった。
あの頃の自分のことを思い出すたびに、自分に対して虫唾が走る。
お兄いちゃんにしつこく絡んで、遊んでもらって。
お兄ちゃんは....もうボロボロなのに、そんなこと考えもしないで、しつこく絡んで...
そして....私は...お兄ちゃんが、私に絡まれるのが相当な負担がかかっていることを知ってから、かかわることをやめた。
しかし、もう既にお兄ちゃんは壊れてしまっていた。
お兄ちゃんを壊してしまったのは、確実に私だった。
そして、
私は、聞いてしまった、お兄ちゃんの言葉を...
「あぁ~...死にてぇなぁ...いっそのこと自殺してみっか」
背筋に寒気が走った....お兄ちゃんがいなくなるかもしれない、そう考えるだけで、自分がしたことに対する、罪悪感に押しつぶされそうになってしまう。
お兄ちゃんと仲が悪くなったっていい、壊れたままでもいい。
でも、いなくなることだけは絶対に阻止しないといけない。
それだけは....絶対に..絶対にさせるわけにはいかない。
お兄ちゃんがいない世界に生きてる意味なんてないのだから
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