第2話 百合の花咲く2人
「ゲーペルお姉様」
「シシー」
だあああああ!こいつらダメだ。
俺らは巨大悪魔を倒す仲間になった。
まさか英雄の中の1人が女の子大好きでフェアリーのかわい子ちゃんも女の子大好きであることを知った俺は泣きたくなった。
百合も大好きだが、俺は異世界ハーレムを目指してたのに、なんで?
「私、ゲーペルお姉様についての本を書こうと思いまして。作品名は『百合の花咲くゲーペルお姉様』」
「あああああああああああぁぁぁ!お前ら黙ってくれないか?俺は異世界で可愛い女とイチャイチャしたい。だが妄想通りに行かない」
俺は夢の異世界生活で美少女たちに囲まれて、はい終わりみたいな生活を送りたいんだが、現実は違かった。
泣きながら俺は言う。
こんな生活、デタラメだ。
…誰もお前のことなんて好きになんねえよ。
「うるせえよ天使。俺は今落ち込んでいるから放ってくれよ。そうだ」
せっかく仲間になったのであそこに行く。
「冒険者ギルドってどこ?」
「ボウケンシャギルド?何それ聞いたことないわ」
「私もだ」
どうやら、この世界には冒険者ギルドがないらしい。
「じゃ、お金は?」
「モンスターのドロップとか売れそうなものを売ればお金が貰えるのよ」
答えたシシーは目を輝かせ、お金が欲しいですという顔をしていた。
「よし、わかった。モンスターを倒しに行こう」
この街を出ると妖精達が住んでいる森なので、当然のことにゴブリンやノームなどがいるはず。
そして近くにいるモンスターを倒す。
――妖精の森――
…短距離魔法はこの世界にだけ存在する魔法なんだが、剣を使わないと使えないんだ。
「(翻訳したやつだが、『カウンターアタック』と言ったやつだよね?)」
…そうだ。自分の中にあるエネルギーを剣に流れさせて攻撃する。
要するにただ体にあるエネルギーを使うことか。
「ソラ、これを君にあげよう。手ぶらだからな」
ゲーペルから剣を貰った。
「ゲーペルお姉様、私この体だと魔法が弱くなります。私を大きくすることができますか?」
フェアリーはあまり詳しくないが、この世界の設定では小さいと戦えないらしい。
「いいぞ。魔法ではないがポーションならあるぞ」
ポーション持ってたのかよ。
「ではイタダキマース!」
シシーは体を大きくすることが出来るポーションを飲む。
すると、シシーの体が人間と同じくらいの体になった。
俺はちょっと違和感を感じる。
「ちょっとシシー、背比べ」
違和感を感じたので、シシーと背比べをすると、
「ええええええええええええ?!俺と1センチ高いだと?!」
俺の160という背の高さを1センチ超えていた。
「おい、来たぞ!五体ぐらいだ。ゴブリンだからあまり甘く見るな!戦闘用意!」
「わかった」
「わかったわ」
急にゴブリンが五体ぐらい俺らのところに向かっている。
「行くぞ!」
「え?ちょっ.....」
俺は魔法の使い方が分からないので、焦ってしまった。
「アリエル!ヘルプ!魔法の使い方が分からない」
…まずは、魔法の名前を言うことで魔法は使える。
「『フリーズ』」
「喰らえなさい!『エアーカット』」
シシーとゲーペルが五体を速攻で倒した。
これだ。
2人が協力すれば、誰にだって勝てると思う。
2人の愛があれば、どんなに強い敵でも倒せる。
使える、こいつら。
「終わったぞ.....ソラ、危ない!」
「ソラ、後ろ見なさい!」
慌てるな。
焦るな。
怖がるな。
今だ。
使え、君の弱い魔法を。
…古泉!ここで死ぬと困るぞ私!
「『カウンターアタック』」
あれ?力が入ら......ない...。
「こうやって話すのは久しぶりだな古泉。」
どこか聞いたことがあるような声。
どこかで見たことがあるような....。
「アリエル?!俺、天界に戻ったのか?」
「そうだよ」
そこには、天使のアリエルがいた。
てか、タバコくさっ。
相変わらずタバコを吸っている。
ホントこいつ天使ではないと思う。
「なんでまた戻ったんだ?」
なぜ俺はまた天界にいるのかをアリエルに聞く。
「お前が使った魔法がエネルギーをめっちゃ使うやつなんだよ」
「はい」
「エネルギーをめっちゃ消化してしまって気絶したわけだよ」
「へ〜ってはあああああああ?!気絶だと?!」
俺は気絶したことを知り、自分の雑魚さに驚いてしまった。
まさか俺がこんなに弱いとは...。
「おっと、そろそろだ。じゃ異世界に戻ったら話そうな!」
また力が入ら......。
目覚めると、シシーとゲーペルが泣いていた。
お前ら、俺を....。
「くそがあああああああああぁぁぁ!!」
「ソラ、生きてたのか。良かった」
「ソラ」
「あああああああああぁぁぁ!!なんでお前らが強いのに俺だけ弱いんだよ?俺はな、異世界でハーレムしたいんだよ!こんな女の子大好きなお前らじゃない女と冒険したかったよ。あああああああああぁぁぁ!!」
こんな、こんな世界は俺になどふさわしくないんだ。
「そうかそうか、つまり君はそんなやつなんだな」
「なんでエー○ール?」
「クズだわ。せっかく心配してあげたのに」
「おいちょま....おい!」
そして2人は去っていった。
2人がいれば、多分強い敵でも倒せる協力プレイが高い2人だ。
さっきは悪いことを言ってしまったが、あいつらと会ってよかった。
2人は愛が強いからどんな時でも2人はくっ付いている。
2人をなんて名付けようか。
『百合の花咲く2人』ってね。
「やあ、古泉」
この声まさか....。
「この世界に来ちゃった」
「帰れ、不良天使」
「嫌だ」
異世界は最強とかチートとかはどうでもいい。仲間がいればOK 千歳 @titose121
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