2020年10月10日 実験と勧誘

――静岡県 浜松市天竜区――


▶教師である江花兎源えばな うげんは休暇の日に街を歩いていると、急に知らない空間に立っていました。白く狭い部屋で、冷蔵庫などの必須品などはあるようです。扉がありますが上に"キスしないと出れない部屋"と書かれていますが、自分1人しかいません。

また、扉はスライド式で、ドアノブなどもないようですね。鍵がかかっているようで、開けようとしても開きません


江花「おや?ここは……?」

江花「これはまた悪趣味なことで。……ふむ。私一人しかいなくてよかったと思いましょうか」


▶江花 都市伝説

 成功

▶ここに来る前、確か自分はダムを台風の最中に見に行く無茶な計画を立てていたはず。その途中、不思議な話をSAで聞いていました。それは、紅葉が裏で武器を製造している噂です。銃などを見たという話が周りで絶えません


江花 「SAで聞いた話……とは関係無さそうですねえ。そもそもゲーム喫茶で武器製造という時点で荒唐無稽とは思わなかったのでしょうか」


▶江花 カメラ

 成功

▶隠しカメラなどはないようです。よくよく見渡してみると、水槽と本棚、それと猫がいますね


江花「おや……猫ですか」


▶猫を撫でていると、首輪もしているようで、トウカと書かれているのがわかります


江花「飼い猫……なら飼い主が何処かに……?」


▶水槽には魚が2匹います。水や酸素も入れられており、餌も端に置かれています。魚に餌をやってみると、扉が開きます


江花 「おや?開きましたね……」


――謎の部屋 外――


▶猫を抱えて外に出ると、狭い通路のようです。壁に銃が大量に立てかけられていますね


江花「……ふむ。何の為の部屋だと思いますか?」

猫「にゃー」


▶江花 銃知識

 失敗

▶サブマシンガンのようです。実弾が入っているかはわかりませんでしたが、立てかけられていた壁の隣に扉がありますね


江花 「……関わらない方が良さそうですね」


――謎の部屋 事務室――


▶扉を開けると、壁のようなものが開いておりダムの事務所が見えています。その手前、見知らぬおじさんがコーヒーを飲んでいます


おじさん「やあ。あの部屋どうだったかい?二次元のように機能してたら嬉しいんだけど」


江花「……よく分かりませんでしたねえ。どういう意味合いの場所なのかも分かりませんでしたし」


おじさん「概念で空間を認識出来るなら、概念で恋人も出来ると思ったんだけどねえ」


江花「はっはっは……。恋人は、ちゃんと現実で作った方が良いですよ」


おじさん「それはそうなんだけどね。2人いても絶対ばれない恋人とかほしいじゃない?」


江花 「分かりませんねえ。私は1人で十分ですから」

おじさん「ははは。そうそう。そこの銃は撃ってみたかい?」

江花「いいえ、全く。扱うには少々、反動がキツそうでしてね」


おじさん「わかってる側の意見だね。それで、実験的には成功したんだが君にこの場所のことを知ったまま帰すわけにも行かなくてね」


▶おじさんは銃をくるくると回し、江花に向け構えます


江花「口外するつもりは無いですが……」

江花「ふむ。どうせなら、ピカッと記憶を消していただけた方が良かったですねえ」


おじさん「現実的に考えて記憶消去なんてありえないだろう?――まあ、それでもいいんだけどねえ。僕としては司法取引をしたいんだよ」


江花「おや、相手に銃を突きつけるのは脅迫と呼ぶものだと思いましたが……」


おじさん「僕は冬泉に勤めていてね。知っているかい?冬泉コーポレーションっていうんだが。ゲームとか作ってる。君をスカウトしようと思って。ダメなら消さないといけないなら、最初から脅迫するほうが早いだろう?」


江花 「ふむ。理由が分かりませんね。……そうする目的も」


おじさん「冬泉は人材が足りてないんですよねえ。給料も保証しますよ」


江花「……私はしがない教師ですよ?一体何をしろと?」

おじさん「何、簡単ですよ。毎日少しずつ血をもらうだけです。家でゴロゴロして、週に1回血を少しもらう。それだけですよ」


江花「何に、使うんでしょうか」

おじさん「それは守秘義務ですね」


江花「私は……どうせするなら納得できる仕事がしたい、それだけですよ」

おじさん「早く決めてもらいたいですねえ。こっちも仕事なんですよ」


▶江花 武道

 成功

▶不意打ち気味に膝蹴りで銃を弾き落とします。が、銃からピュヨーピュヨーとなります。おもちゃのようですね


江花「すみませんねえ。私も教え子が待っているもので。――お互い、無かったことにできませんか?」

おじさん「優しい脅しに対して武力とは……。仕方ありません」


▶おじさんは空間から出ていきました。空間が閉まり、事務所も見えなくなります。少しづつ空間も縮小していっているようですね


江花 「実質誘拐、監禁している時点で、どうかと思いますけどね……。さて、どうしたものか……」


▶江花 観察力

 失敗


江花「こんなところで餓死することになるとは。――その前に、圧死ですかね」


▶江花 捜索で判定

 失敗

▶空間が縮小していく余波で隣の部屋が潰れ、銃が部屋に雪崩込んできます。壁に向かって引き金を引くと、水が出てきます。そのうち、壁が崩れ、事務所の風景が少し見えるようになりますね


▶江花 武道

 成功[人間振り直し]


江花 「流石に、こんなところで死ぬわけにはいきませんからねえ、っと!」


▶壁を蹴り壊すと、気づけば草原に立っていました。近くに川とダムがあり、そこまで離れていないな、と感じます。おじさんが苦笑いをして立っていますね


おじさん「まさか戻ってくるとは。それなりに根性あるんじゃないかい?」

江花「……誰だって、簡単には死にたく無いでしょう?」


おじさん「冬泉に来てくれるつもりになってくれたんだね。ありがとう、これで僕の仕事も減るよ」

江花 「はっはっは……。それとこれとは別の話です」


おじさん「そうかい。ならば、仕方ないね」

江花「納得ができる仕事なら良かったんですけれどね」


▶見計らったかのようなタイミングでヘリコプターが飛んできて、おじさんが捕まるように乗り込みます


おじさん「なら、仕事をなくせばいいんだ。期待してて待っていてくれ」

江花「……やれやれ。ロクでもないことに巻き込まれたようですねえ」


▶おじさんは飛び去っていきました。

――――数日後、江花が担当する高校の、クラスごと生徒全員が行方不明になる事件がおきました。

ネットだと、クラス転移が実際に起きたと話題になっているようです

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