2019年11月10日 そのまま転勤する人達
――新潟県 寺泊町 古民家紅葉――
もみじ「今日はメタルスラッグ3が1プレイ10円だよー。ノーコンクリアすると40円バックするよ!!」
棗「そこまでやらんと客が入らん商売ばっかりよくやってられるな」
▶棗は青リロに10円を積み上げてプレイしていますね
もみじ「ま、こんなド田舎……。お茶しに来るご老人はいてもゲームしに来る若者は最早絶滅危惧種だから……」
棗「それもそうだな……そんなど田舎にまさか飛ばされることになるとは思わなかったがな」
もみじ「ま、その分悪鬼の質も強烈でしょう……?伊達に最前線やってないわ」
棗「全くだ。神殺しの英雄様たちに任せて隠居したい気分だ」
もみじ「――今桃風香ちゃんに調査を任せているんだけど、棗くんにも共有しておくわね。今年からVtuber事業を紅葉がやってるのは知ってる?」
棗「ああ……少し耳にした程度だな。詳しくは知らないな」
もみじ「やっぱねー。女の子不足してないやつは言うことが違うわ。この、Vtuber事業には裏があるのよ」
棗「どういう意味だどういう。……裏?夜叉活動として効率的、だからだけじゃないと?」
もみじ「それはね、概念の疑似操作よ。紅葉が企業努力として二次創作やハッシュタグを作成することで、Twitterのトレンドやキャライメージごと操作して夜叉として便利な概念を付与するわけ」
もみじ「棗くんが知ってる子だと今このはちゃんがVtuberやってるんだけど、ネットでなんて呼ばれてるか知ってる?」
棗「いや?」
もみじ「首絞めシャブヤク催眠ロリよ」
棗「なんでそんな素っ頓狂なワードが羅列するんだ!?」
もみじ「まずこのはちゃんにVtuberを始めてもらうでしょ?その次に、えっちな絵かきにお金を払って有望なロリ枠としてその人の趣味に沿った絵を書いてもらう。お題箱やskebにも大量に登録して、公式からはそういうのはコショっとやってねと入れてそういう役割を手に入れさせたのよ」
もみじ「するとどうなるか。おじさんにいいようにされたり、催眠をかけられたり、オナホにされて人生を終わらせられる絵が流行るわけ」
もみじ「逆を返すと、これは公式が提示したどうあがいても二次創作のこのはちゃんであって、本物のこのはちゃんは清いんや……、でも書きたかったんや……!!って感じの絵書きを量産するの。っていうことは書かれれば書かれるほど、このはちゃんは現実の精神操作に強くなるのよ。棗くんならこの意味、わかるわよね?」
棗「概念の付与と強化としては手っ取り早いんだろうが……。もう少しこう、手心を込めた依頼はできなかったのか……流石に不憫に感じるぞ」
もみじ「本人が知らなければ問題ないのよ。知った頃には概念も通ってるし、やったものがちね」
もみじ「これを本部だと二次創作の鎧って呼んでるんだけど、これは妖怪じゃなくて、ある程度人間でも使うことが出来るの。Vtuberとか、うちのかみさんがねみたいな時折話には出てくる謎の人っていう皮は必要になるんだけど」
棗「そんなもんか、まぁそんなもんなんだろうな……。まぁ、秋月にはパートナーもいるしある程度は問題ないか」
もみじ「私のもう数少ない戦友の……四季っているじゃない?」
もみじ「あいつが被験体第一号になったから。様子を見て笑いに行くわよ。――桃風香ちゃんにはお留守番してもらうわ」
棗「……ああ、大丈夫だ覚えている。むしろ俺が行くのか」
もみじ「そりゃあ、そうよ。いずれ棗くんも他人事じゃなくなるんだし。生まれを呪うべきね」
棗「…………マジか」
もみじ「ほら乗って。栃木まで行くから覚悟を決めることね」
――光綿市 光綿支部紅葉――
▶光綿の紅葉に行くと、大歓迎されますね
??「お疲れさまです!あの朱鷺森の英雄殿に会えるとはこの帯刀、感謝感激です!!」
??「はいはい。真面目真面目。もみじちゃん僕のこと覚えてるかい?もう引退したんだけど、何故かまだ前線にいてね……」
もみじ「お疲れ様瀬川さん。それに、帯刀さん。こないだ鷲羽くんに会ったけど、まだハーレム作ってたわよ」
帯刀「ああ……。まあ、あいつはそういう星の人間ですから。そちらの方は?」
棗「棗真貴だ。生まれはこの国ではないがここに居着いてからの方が長い、オーナーもみじとは朱鷺森の頃から世話になってる。よろしく頼む」
もみじ「その前から何度かペアになったりはしてるんだけどね。四季はいるかしら?」
瀬川「いるいる。びっくりしたよ。あの頃と何も変わらなさすぎて……」
帯刀「萩野さん、七瀬さんがお呼びになってますよー。早く来てくださいよー」
四季「はいはい久しぶりねもみじ。それに棗くん」
▶棗は、朱鷺森の頃より更に若くなってるんじゃないか?と感じますね。心なしか身長も低くなっている気がします
棗「変わりようのない変人ばかりな記憶しかないんだがな、随分と四季家の人間にも関わちまったもんだ。久しぶりだな、少し俺の記憶と違うが……。若返りの水でも手に入れたか?」
四季「ま、8割はあたりね」
もみじ「棗くん。Vtuberはともかく、とととがは知ってる?最近映画にもなったんだけど」
棗「ああ、名前は知ってるな。内容はすまんが」
帯刀「私知ってますよ。主人公がそりゃあまあ刺されて当然なムーブしかしないので、ああ刺されるな……、って。――似たような人に心当たりもありますし」
瀬川「その、 "俺の彼女と幼馴染と後輩が修羅場すぎて俺が刺されるまで" の原作者が、……そこのお姉さんだよ」
四季「いえーいいえーい」
棗「そんな才能があったんだな……。いや頭が痛くなりそうだが」
もみじ「私と違ってさっさと前線を引退してから、ラノベと探偵ごっこをしてるんだけどね。こいつの目的は最初からラノベを当てることだったのよ。ある程度紅葉側で操作するから、アニメ化までは決まってたようなものだけど」
四季「まさかあれだけ有名になるとはね……」
棗「狙って当てたんだから大したもんだな……それで?」
帯刀「えっと……。のととがの作者さんってのはわかったんですけど……。イマイチ話がつながらないというか」
もみじ「のととがの主人公の母親役の名前を、四季にしたんだよこいつ。じゃあ主人公の母親は年齢がわからないほど若々しいでしょ?」
瀬川「うーん……。そういう概念を使ってずっと若いままってことですか……。便利な世界だなぁ」
棗「なるほどな。それが若返りの水の正体ってわけか」
帯刀「はへー。でもよくそんな凝った設定と絶妙に刺されそうな主人公作れましたね」
もみじ「あーそれは……」
四季「息子を観察してたらすらすらと文章が書けたのよ」
棗「なんとなくだが、そこについてだけはわかった気がしてたさ……」
瀬川「申し訳ないが、ここ栃木の夜叉はここにいる人間で全てでね……。掃討をもみじちゃん達にお願いしたんだ」
もみじ「っていうことで棗くんよろしく」
棗「なんでそこで俺に来るんだ俺に」
もみじ「私はこれから、四季の新しい探偵事務所のダンボール箱開けないといけないのよ……」
四季「棗くんがんばれー」
棗「これだから関わりたくねぇんだよ……。はぁ、言ったところでどうにもならん以上やるだけやってやるさ」
もみじ「物分りが良くて助かるわー。じゃあこれ地図ね」
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