2019年7月11日 雪の降る町
――雪城市 雪城高校3F:ミステリ部部室――
青葉「前衛が……、前衛がほしい……。あの日から適度に雪降ってる原因が未だにわからんし、新人達はどうも……うーん」
▶青葉は無駄に大きい機械の手入れをしながら、頭を抱えています
エイリオ「せんせー最近ずっとそんなこと言ってるきがするー」
青葉「仕方ないでしょー。盾がいないと生存率がダンチなのよダンチ!私と精霊さんには限界があるのよ」
エイリオ「そーだよねー、オレも遠くからのほうがいいし、押さえててくれる人居ると楽できるしー」
青葉「なんだかんだ、私含めてみんな英雄様扱いだから出張も多いしね。1時間待っても一人しか来ないし……」
エイリオ「出張も楽しいけどね!え、もしかして今日学校来てるのオレだけ!?」
青葉「そうよ……。伊良原のカスの依頼を受けに行こうか……あれほっとくと何しでかすかわからんし」
エイリオ「先生のかー、なにするって言ってた!?オレわくわくすっぞ!」
青葉「取り敢えずこれ覚えてる?」
▶無駄に大きい機械をバシバシと叩きます
エイリオ 「詳しく覚えて無いけど!なんとなくいけないものってことは覚えてる!」
青葉「うん……まああってるあってる。これは、置いた場所同士なら瞬間移動出来るドラえもんかこいつ?みたいな機械よ。今日はこれで屋島に行くわよ」
エイリオ「屋島……、島ってことは。海の外だね!」
青葉「いえ、高松よ」
青葉「もう最近これが出来てから車出すのも面倒でね……」
▶便利になったわね、としみじみつぶやきます
エイリオ「そっか!!!なにがあるとこー?お土産買って帰れるー!?観光名所ってなにかあるかなー!?」
青葉「仕事なのよねえ。まあそれは向こうの紅葉の人に聞くといいわ。これ乗って」
エイリオ「おっしゃ!GOGO!」
▶青葉はエイリオと一緒に機械の上に乗ります
――高松市 屋島紅葉――
▶機械に乗って次に見えたのは、旧式のスク水を着たお姉さんですね。どうやら移動が終わったようです
スク水「雪城の英雄様方。お待ちしておりました」
エイリオ「ぅぅん……独特な乗り心地だね!こんにちわ!」
青葉「英雄様……、へえ、相変わらずね。どこもおかしい人がマスターしてるわ。まともなのは私だけかも」
エイリオ「せんせーツッコミ待ちー???待ちーー??」
スク水「人の事言えないのは青葉ちゃんも相変わらずなようで……。そっちのエイリオくん。かわいいわね。スク水着る?」
エイリオ「えーアー……、あーり……がとう!――カワイイって誉め言葉なのだけどまだ素直に喜べないな!今日は泳ぎに来たわけじゃないからいいかな!」
スク水「あら残念」
▶バックルームに設置されていた機械の部屋から少し移動し、何もない壁へ移動します
スク水「『アルトリア鯖の顔面prprしたい』」
▶ゴゴゴ……、と音がして地下室への扉が開きます
青葉「行きましょうか。ツッコミすると負けなのよ」
エイリオ「……せんせー、ウチのってなんだっけ」
青葉「みんな聞くわね……。『ハーレム喫茶があるって聞いたんですけど?』よ。覚えといてね」
エイリオ「特に意味はないワードで安心!ヨシ!行こう!」
――屋島紅葉:地下室――
▶小さな個室ですね。本棚や先ほど見た機械の部品と思われるものが置かれています
スク水「じゃあ今回英雄様方を呼んだ理由を説明するわ。――端的に言うと、太三郎狸の行方がわかってないの」
エイリオ「名前付きってことは狸のお偉いさんなの?」
スク水「そうよ。ものすごい徳がある御方で、変化の術も完璧。悪戯の記載なんて残ってないくらいだわ」
スク水「まあでも長期間留守にするっていうのは割とよくあることなんだけど……。――屋島寺に、雪が降ったみたいなの」
青葉「!?莉乃……一応連絡……」
エイリオ 「へー、え?珍しいことなの?――え?今?この時期に!?」
スク水「そうなの。で、夏に異常気象って言うと、今も適度に雪降ってる雪城の人達にお願いするのが妥当かなって。青葉?」
青葉「莉乃ちゃんじゃなーい。あの子新潟に行かせてたの忘れてたわ……」
スク水「まあそういうことだからお願いね?」
エイリオ「せんせー葉月先輩頼りにしてるんだねー」
青葉「うちの面子で雪降らせれるのなんて、あれしかいないから……」
エイリオ 「たしかに!でも葉月先輩がここまできて悪戯していったなんて考えられないしー。他に原因ってなにかあるのー?」
青葉「だから調査するんでしょ……。お寺さんに行くわよ」
エイリオ「情報収集からだね!れっつごー!」
――高松市 屋島寺――
▶レンタカーを借り、屋島寺に到着しました。屋島寺は7月にも関わらず、雪が降っています。そこそこ積もっていて、とても寒いです。
青葉「季節感!!!!!!!いや寒っ!えっ7月……?」
エイリオ「せんせー……。オレ、こう見えて……寒さにそんなに強くないんだ……。夏の太陽を返して……」
青葉「見たらわかるわ!この時期なんてみんな半袖に決まってんだから、そりゃ寒い!」
▶厳かなお寺の近くに伏見稲荷のように鳥居が何本も立っています。更にその両隣には大きい狸の石像もありますね。雪が積もっていてかなり幻想的です。人の気配は全くなく、人払いの結界が施されているのを感じます
エイリオ「誰も居そうにないんだけど!?操作の基本は聞き込みじゃなかったの!?」
青葉「こんなのバレたらSCP案件もいいところよ!?人払いしなきゃロクな捜査も出来ないわ」
エイリオ「穏やかじゃないですね!」
▶エイリオ 民俗学
ファンブル[何もなし]
▶エイリオ 日本文化
成功
▶エイリオ 妖怪知識
成功
▶エイリオ ゲーム
成功
▶エイリオ 跳躍
成功
▶調べていると、屋島の雪から魔力を感じます。どうやら、誰かが意図的に降らせているみたいですね。降らせる為の調整機も見つけます
青葉「うーん、やっぱりそうですか。芝右衛門もいないってなると……」
青葉「エイリオ、そっちはどうだった?」
エイリオ「わかってるとは思うけど、この雪やっぱり魔力を感じるよ!そして、人工雪だね!ご紹介致します!調整機ちゃんでーす!」
青葉「とりゃー」
▶見た瞬間に青葉は蹴っ飛ばして破壊しました
エイリオ「調整機ちゃーーーーん!!!!」
青葉「取り敢えず私達が帰る理由はついたよ。問題はこっから。この調整機とか魔力雪もそうだけど、こんなの出来るのって、冬泉かいらたんしかいないわけ」
エイリオ「うーん、思いつくのはそこらへんだよねー。この調整機ちゃん製造元書いてないのー?」
青葉「機械探知……」
▶青葉がスマホを取り出してアプリを起動すると、地下に機械反応がたくさんあるのがわかります
青葉「お寺の地下にいっぱい機械反応。雪に魔力込めてる以上、何かの実験。量的にここに当事者がいそうな感じよ」
エイリオ「でも、今壊しちゃったからこっちの存在に気づいてる可能性大」
青葉「どうする……?一応2日あれば夏乃が来てくれるって言ってたけど」
エイリオ「えー?せんせーここで待つって言っちゃうのー?オレ寒いの苦手なんだよねー!夏!好きってわけじゃないけど嫌いじゃないんだ!!」
青葉「かわいそうななつのん……、わかったわかった。ただし先頭は私ね。不意打ちでもされるとキミ死んじゃうわよ」
エイリオ「やったー!じゃあ しんがり はオレだ!」
青葉「となると……ここだな」
▶青葉が物置の扉を蹴飛ばすと、真っ赤な悪鬼が蠢いています
エイリオ「凶暴な足だこと!凶悪な色だこと!」
青葉「どうせ後処理やるのはあの旧スクマニアなんだからいいの」
エイリオ「あれってやっぱり趣味だったんだね。触れなくてよかった!」
青葉「場所にもよるけどね……。格好がまともな分私がまともなのはわかってもらえたとは思う……。あいつみたいな趣味勢は他にメイド服とかもいるよ」
エイリオ「とくに言うことはないよ!」
青葉「はいはい……。一応保険かけておくか」
――屋島地下研究所――
▶白い無機質で病院みたいな空間のようですね。廊下は一本道で、寄り道できそうな扉すらありません
青葉「……THE研究所って感じ。ウェスカーいそう」
エイリオ「こちらへどうぞって感じー」
▶進んでいくとガラスの扉がしっかり施錠されて行く道を塞いでいますね
青葉「ふーん?」
▶青葉はハサミを展開し、差し込んでから無理やり開いてガラスごと斬ります
青葉「鍵穴とかに罠あったかもしれないけど、これで問題なしっと」
エイリオ「ガラスって水の中だと切れるっていうけどね。悪鬼の中も水みたいなもんなのかな」
青葉「このハサミが強いだけよ」
▶更に進んでいくと、今度は鉄の扉が塞いでいます。横には白い蝶に電卓を埋め込まれたような機械があり、パスワードを4桁入れれそうですね
エイリオ 「せんせーほらさっきみたいにスパーって」
青葉「そうね。パスワードとか知らないし」
エイリオ「冗談!」
▶青葉はハサミをぶん回して無理やり斬ります
青葉「これでよしっと」
エイリオ「……せんせーキレッキレじゃん!」
青葉「昔から謎解き嫌いだったからね。ゴリ押しこそ正義よ」
▶奥に進むと、扉が3つ横並びに並んでますね。どれも鉄の扉のようです
青葉「取り敢えず左から入るか。オラァ!!」
エイリオ「左手の法則ってやつだね!」
▶青葉が鉄の扉ごと斬って中に入ります
――屋島地下研究所:左の部屋――
▶天井までくっつくほどの大きなカプセルのようなものがあり、中に狼が入っています
エイリオ「SEKIRO……」
青葉「んー?これ、ニホンオオカミだな。絶滅してなかったのか」
青葉「ってなるとこのカプセル適当に潰すより、いらたんに送ったほうが無難か」
エイリオ「生きてるの?この子」
青葉「生きてるでしょうね。ほらここ、気泡ができてるわ」
▶見ると、カプセルの上の方にボコボコと小さく気泡が出来ています
エイリオ「ふーん……、なんだか研究所って感じ」
青葉「先他の部屋見てからのほうが早いか。斬ってくるわ」
エイリオ「待ってよー!」
――屋島地下研究所:真ん中の部屋――
▶やはり、天井までくっつくほどの大きなカプセルのようなものがありこちらには全裸の黒髪の幼女が入っていますね
青葉「おっとー?やっぱ壊さなくて正解だったかも」
エイリオ「え?急に犯罪チックになってきたよ!?」
青葉「よいしょっと」
エイリオ「え?」
▶青葉が投げナイフをぶん投げると壁に突き刺さり、電気のショート音がバチバチ言ってます。ダクトに鎌が詰まっているのが見えます
青葉「なんか出てきそうだったから先に潰しといた。ほっとくと後がつらいしね」
エイリオ「とりあえず壊すって精神は敵地なら有効か、勉強になるなー」
青葉「なんでも壊すとダメだけどね。右の部屋も開けてくるわ」
――屋島地下研究所:右の部屋――
▶この部屋には、中央に機械に繋がれた狼耳和ロリ少女ロボが目を閉じています。まだ起動されていないようですね
青葉「ほーん……、ってなるとあのカプセルあれかぁ。ポケモンのそだてやさんだわ」
エイリオ「うーん、センスはいいようだね」
青葉「顔もさっきの幼女に似せてるしね。当然、素材が良ければ可愛くなるわなぁ。接収したいけど……うーん……」
▶青葉は悩んでいるようですね
エイリオ「なんでも壊せばいいってわけじゃないってこういう意味だったんだね!」
青葉「当然、弓持ってるよね?出してないけど」
エイリオ「最近の弓は短刀で作るものなんだ」
▶エイリオは双剣を独特に構え、弓のように糸を結びます
青葉「正しく型月のアーチャーしてるわぁ。じゃああの右上の壁の方に全力でやってくれる?」
エイリオ「あそこらへんかな?あーいよー!」
▶氷のつぶてを発射し、壁が薄かったのかそのまま奥に突き刺さっていきます。破れた壁から、隠されたダクトが出てきます
青葉「やっぱね。あっちの部屋にあってこっちにないわけがないでしょ。首謀者がいないから。まずそっちからよ」
エイリオ 「せんせーほんとにキレッキレじゃーん」
青葉「やる気出してるって言ってほしいなぁ」
――屋島地下研究所:奥の部屋――
▶尖った氷が脳天に刺さって死亡してる人間が倒れています。それ以外は本棚があるくらいで、書斎って感じの部屋ですね
エイリオ「あちゃー、不慮の事故だよー。話聞けなくなっちゃった」
青葉「いや、こういうのは拷問してもしゃべんないからこれでよし」
エイリオ「医学解剖なら死体はおしゃべりっていうしね!死んだ方がしゃべることもあるかもね!オレはしないけど!」
青葉「取り敢えず家探し。後は接収かな」
エイリオ「本棚ぐらいしかないねー」
▶エイリオ 本知識
クリティカル
▶エイリオ 武器心得
成功
▶機銃が出るギミックを見つけますが、動く前に全部氷で潰してしまいます。調べた感じ、どうやらここはアンドロイドを作成する施設みたいですね。魔力が常にあって、神もしくはそれに準ずるものの力を電力にしている、と本に書かれています
エイリオ「とりあえず壊す。オレは学んだ」
青葉「やっぱそだてやさんだなこれ……。潰しとくのが得策か。勝手に悪鬼拡張されても困るし……」
エイリオ「ふー、で、読書の時間だ!なーになに?ほーんほん。なるほどなー」
青葉「わかってないでしょ……」
エイリオ「さっきの狼娘ちゃんがアンドロイドってわけか。愛玩用に作ってたわけじゃあないだろー?」
▶死体の身体を弄りながらエイリオは呟きます
青葉「どうやら、ロボット引き離さないと他も接収出来ないみたい。タマゴ受け取らないと接収も出来ないのか。――概念をうまいこと使ってるなぁ」
エイリオ「じゃあ狼娘ちゃんをお持ち帰りすれば、SEKIROとさっきの女の子も助けれるってこと?」
青葉「そうね。私は同僚みたいにコブつきになるのは嫌だし、エイリオくんもらってくれる?」
エイリオ「仲良くなれるかな!?って話せるのかな!?何食べるんだろ!?楽しみだ!」
青葉「最初に見た人をご主人様にするから。一人で行っておいで」
エイリオ「すりこみ式かぁ。おっけー!友達になってくるよ!」
――屋島地下研究所:右の部屋――
エイリオ「えーっと第一印象が大事!まずなんて声掛けようかな。あれ?なんて名前なんだろ?よし聞いてみよう!!」
▶エイリオが騒いでいますが、無反応ですね。カプセルの下に鍵穴があり、壁に鍵が掛かっているようですね
エイリオ「わかったぞ!これを使えってことだな!」
▶鍵を取って、鍵穴に差し込むとガガガ……っという音がして、ロボ少女の琥珀色の目がゆっくりと開きます
和ロリ「問おう、貴方は私のマスターか」
エイリオ「おぉ!っと……、おはよう!――オッケーそういうノリね。ゴホンッ」
エイリオ「……いかにも、オレはエイリオ=スキャベビッチ。オレに忠を尽くすなら、闇を切り裂きその先を魅せてやろう。其の者、名を述べよ!」
和ロリ「名ですか……。名はロウハ。製造ネームですがそうお呼びください、ご主人様」
エイリオ「なんてn」
エイリオ「ロウハ……!ロウハちゃんか!俺の事はリオって呼んでくれよな!ロウハちゃん目が覚めたばっかだけど、お腹空いてない!?」
ロウハ「機械なので……食物は必要ありませんご主人様」
▶青葉が入ってきますね。ロウハの目がそちらに向います
青葉「おーおーちゃんと契約出来たようだね。戦えるの?」
エイリオ「なん……、だと……!?ドラえもんだってドラ焼き食べるぞ……!ロウハちゃん紹介するね!こっちはせんせー!変な人だけど悪い人じゃないよ!ちょっとデキるってこと!見せてあげて!」
ロウハ「はい、ご主人様」
▶ロウハは爪を自分より長く伸ばし、首を取ろうとしますが青葉はハサミで全て狩り落とし、ロウハの頭に肘を置きます
青葉「おっと危ない」
ロウハ「……っ!?」
青葉「ってことは前衛か。良かったじゃん。叶琉にとっても楽になるわ」
エイリオ「うん、ごめん!もういいよ!!ちょっと日本語足りなかった!でも大丈夫ならよし!これからよろしくね!ロウハちゃん!」
ロウハ「申し訳ございません……」
青葉「残りの素体はもういらたんにワープで送っといたから。とっとと帰るよ」
エイリオ「ワープなんて便利な時代になったもんだ。ロウハちゃん!もっと紹介したい人いるから!おいで!」
ロウハ「はい……」
――高松市 屋島紅葉――
▶ロウハを連れて車で紅葉に戻ってくると、旧スクのお姉さんは目を丸くします
スク水「それで出てきたのがそこのロリータファッションってわけね。――変態ね」
青葉「24にもなってスク水着てるお前も大概なのでは……?」
スク水「初恋をその年になってまだ追いかけてる青葉ちゃんよりはマシよ」
エイリオ「人の趣味を貶し合うのは泥仕合だから終了!――ロウハちゃんだよ!」
ロウハ「よろしくおねがいします」
青葉「あそこ、太三郎狸とは関係なかったわ。いたのはニホンオオカミと幼女。それとこのロボね」
スク水「ほーん。本部には私から連絡しておくわ。お疲れ様、またなんかあったら頼むわ」
青葉「うへえ……」
エイリオ「移動は楽ちんだから、気分は依頼内容によるね!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます