2019年1月30日 あれから1年
――雪城市 雪城高校3F:ミステリ部部室――
▶梧桐は一人でみいの作ったおやつを貪り食っていますね
梧桐「……んー、今日は前の余りか~。ま、無いよりはいいか」
梧桐「人数が減るってことは、減った分総量も減るんだよなー。先生でも生徒会でも誰でもいいからザバッと連れてきて楽する方法は無いもんか」
秋斗「こーんにーちはーっと。今日は梧桐だけか」
梧桐「……あれー、何してんすかーせんぱーい。活動なんてここ暫く無いようなもんすよー。ついでに鈴倉もいないっすよ」
秋斗「いや、卒業前だし、たまには顔出しとこうかなって。――まあでも、特になんもないならそりゃ集まらんか」
梧桐「先輩成績足りてたんすねー」
秋斗「まあ一応な……。後、もし本当に足りてなかったとしても青葉先生がなんとかするんだろうし。知らんけど」
梧桐 「あー……。そりゃ今後こき使われ続けられるんだから、何がなんでもって感じか~。ご愁傷様でーす。あ、そこにまだ食い物入ってますよ」
秋斗「お、さんきゅー」
梧桐「ここの活動も今はやるぞ~ってこと少ないんで楽なんすけどねー。まーおかげでお菓子に毎日はあり付けないんでそこはなーって感じなんすよ」
秋斗「ってことはお前は毎日律儀に来てんのな。流石というかなんというか」
梧桐「そりゃ……、ここか料理部ぐらいしか食えるもの置いてないじゃないっすか」
秋斗「あー、じゃあいっそ自分で作ってみるとかどうよ。自給自足自給自足」
梧桐 「んな面倒な事悪鬼以外でやりたくないんですけど~。金どんだけ飛ぶと思ってんすかー、ただでさえバカスカ突っ込む先輩2人居なくなるんすよこっちは~」
秋斗「いや、案外楽しいぞあれ。確かに最初道具揃えるのにはちょいお金かかるかもだけど。――まあ、前衛に関しては頑張ってくれとしか……。もしくは頑張って後輩作るしかない」
▶鏡花がふらふらっと部室に入ってきます
鏡花「こんにちはー。……おや、お二人だけですか?」
秋斗 「お、ほら、ちょうどいいところに」
梧桐「……先輩も酷いっすねー、後輩に飯たかって前に出て壁やれーだなんてー」
秋斗 「人聞きの悪い。というかたかれとは言ってないたかれとは」
鏡花「クッキー持ってきたんですが……食べます?」
梧桐「おー貰う貰うー。サンキュー」
梧桐「こうやって美味いもん湧いてくるから自分で作るとか頭から抜けるんすよ。そういや先輩はチョコだかケーキだか作ってましたね」
秋斗 「しっかしまあよう食うな……。なんなら俺も今度作ってこようか。そういや梧桐に食べさせたことなかった気がするし」
鏡花「私も食べたいです!」
梧桐「うおびっくりしたー」
秋斗「お、おう。まあ何にせよ今度な」
梧桐「そういやもうすぐそういうシーズンだし、貰えるんならありがたく貰うんで~」
鏡花「ああ……、そういえばもうそんな季節でしたか」
梧桐「はー……、居ても面倒だし居なくても面倒っすよねーせんぱいはー……」
秋斗 「ああーそう言えば。すっかり忘れてたわ……。そうかあ、この部活入ってからもう1年以上経つのかあ」
梧桐「食い物には困らなくなった1年だったなー。先生含めて変なのばっか集まったけど~」
▶梧桐はクッキーをハムスターのようにもぐもぐしつつ、秋斗や鏡花を見ます
鏡花「色々ありましたね……。私も久々に親戚から連絡が来たりしましたよ」
梧桐「親戚、か……」
鏡花「まあ、まさか既に紅葉の一員であの時の決戦にもいたとは思わなかったですけど……」
梧桐 「こんな奇怪なこと、他の親戚がやってるなんて考えたくないってのー」
鏡花「今の写真、送って貰ったりしたんですけど相変わらず凄い美人なんですよね……。羨ましい……。――まあ、彼氏はまだいないみたいですけど」
梧桐「ふーん。紅葉に所属しててもその辺は特に制限とかないんだなー」
秋斗「そのかわり情報とか漏らしたら酷いことになるんだろうなあ……。信じてもらえるかも怪しいけど」
梧桐 「わざわざ……話す様なことでも、話せることでもないしな……。こんなの」
鏡花「………そうだ!良いこと思いつきました!」
鏡花「彼氏のいない紅花姉さんに素敵な先輩達を自慢……、もとい紹介しましょう!いい感じに腕でも組んでおけば多分良いはずですし!!」
梧桐「ご馳走様ー、んじゃ先輩。あとは後輩の面倒よろしくでーす」
鏡花 「あ、じゃあ秋斗先輩で」
▶秋斗の腕を無理やり組んで、自撮り棒で自撮りします
秋斗「いや、前にあんまそういうのよろしくないからやめようって話したよな?いや、しかも水月と部室に二人っきりはまずい!」
梧桐「ごゆっくり~」
秋斗「あっ待って、待ってください梧桐さん!!」
鏡花「はーい、チーズ。『素敵な先輩と一緒です』、……送信送信っと。いやー楽しみですねー」
梧桐「……『鈴倉へ。先輩ちゃんと見てないとどうなっても知らんぞ』、と」
秋斗「また撮られてしまった……。頼むからあんま人に見せつけたりしないでくれな……、特に夏乃」
鏡花「『こちらも上司と一緒です』……?上司さん凄い死にそうで泣きそうな顔してるけど、何やってるんですか紅花姉さんー!?」
梧桐「こんなこと気負わず……、普通に生きてて欲しいよ。ケイ兄ちゃん」
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