2018年12月10日 ミステリ部の今後
――雪城市 雪城高校3F:ミステリ部部室――
▶夕方、忙殺されている青葉含めミステリ部にはみいしかいません。梧桐が入ってきます
みい「……あれ、先輩じゃないですか」
梧桐「んー?今日は野浦だけしかいない感じー?何か食い物ありそうー?」
みい「確か、鏡花さんの焼いたクッキーがまだ残ってたと思いますけど。お茶淹れましょうか?」
梧桐「お?マジでー?んじゃよろしくー」
みい「はい、クッキーにはお茶が合いますからね」
みい「――もうすぐ年があけて……、それで4月になったら、萩原先輩達も居なくなっちゃいますね」
梧桐「今更だけどよく菓子だのお茶だの置いてるよなーここ。おかげで放課後飢えることなくていいんだけどさー、最近は毎日来るってわけでもないから~来ても何もないとかあって帰るまで腹減るんだよなー」
みい「……先輩は、どういうのが好みなんですか?」
梧桐「んー?何が?」
みい「お菓子ですよ、どういうお菓子が好きなのか。と思ったので」
梧桐「あーそうだなー。特に嫌いなってのあんま無いかなー。チーズ系と甘納豆みたいなのはあんま好きじゃないけどー」
みい「そうですか、ありがとうございます」
梧桐「だからケーキでもクッキーでも作ってくるあいつ凄い助かるんだよなー。どうせ来年もここから出れないんだろうしさー、菓子食うぐらいしか楽しみないってのー」
みい「……そうですか」
梧桐「あーそういやそれ系の話だとさー。春休み先生に許可貰えたら少し長めに休み貰う予定だからー。ま、その辺までなら俺居なくても何とかなるだろうしーってことで~」
みい「まぁ、春休み明けには戻ってきてもらわないと困りますけどね」
梧桐「はー面倒だよな~。来年は先輩たち3人、しかも前で殴ってる系が一気にいなくなるとかさ~。都合のよさそうな後輩見つけて欲しいよなー先生には」
みい「とは言っても、どうなるかは分かりませんからね。最悪、残った人たちだけでやっていかないといけないかもしれません……」
梧桐「バランス悪いよなー先輩ら消えるとー。生徒会の方も前張ってるの会長だったしいっそ一緒にやった方が楽できそうだよな~」
みい「そうですね……それなら、来年もまだ何とかやれるかも、ですね」
みい「…………。――――それで、」
梧桐「んー?」
みい「また、来年になったら、先輩たちも居なくなっちゃいますね」
梧桐「あーそうそう。そうなると大変そうだし早いうちから面子は探してもらうしかないんじゃねーのー」
みい「そうなんですけど……そういうことじゃないんです」
▶みいは、チラッと部室に飾っていたミステリ部のぬいぐるみの方を見ます
梧桐「おー。あれもちっこい先輩とかポケモンの身代わりよろしく何度も見たよなー。器用だよなー色んな意味で~」
みい「……前、失礼しますね。」
▶梧桐の膝の上にちょこんと座ります。頭をぎゅいぎゅい押されますが、無視していますね
梧桐「……いやなんで?椅子じゃないんだけどー?」
みい「こうしてると落ち着くんです。――――減るものじゃないし、いいじゃないですか」
梧桐「いや勝手に落ち着くとか言われても困るんだけどー、俺の機嫌の良さが減ってくんだけど~」
梧桐「こういう時に押し付ける鈴倉がいねぇ……。――くっそ、恨みますよー先輩ー……」
みい「…………。――ああ、そういえば、先輩は4月まで居にゃいんでしたっけ」
▶膝の上で、眠たそうに目がとろんとしてきます。声が少し震えていますね
梧桐「おいー、ベッドでもないんだけどー。俺も食うもん食ったから帰って寝たいんだけど……。――あー?それは先生が良いって言ったらーって話」
みい 「先に……言っておきますね」
梧桐「いや言う前に降りろって話なんだけどー……」
みい「あと一年間ですけど……らい、ねんもよろしく、お願い……、します……」
▶そのまますぅ……っと寝息を立て始めます。スマホを取り出して着信ボタンを連打します
梧桐「……いや寝るんじゃねーよ!?くっそ……、鈴倉ァ!はよ出ろ!」
みい(ずっと、この時間が続けばいいのにな……)
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