第20話 レベリング ※
第20話 レベリング ※
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キン、キン、
……あれ?
掘れない。
レベル上げに専念してしばらく、毎日のようにせっせと穴を掘り津図けていたら、掘れない壁にぶち当たった。
今まで掘ってきた中で、一番深い場所。
横によければまた掘り進められるが、すぐに掘れないそれにぶつかる。
コン、コン
ほかの部分に比べて、異常に硬い。
一定の深さを超えてから、異常に多くなって掘りにくいったらありゃしない。
なら上の方掘ってりゃいいじゃんと思うかもしれないが、深ければ深いほど平均して経験値効率がいい。
そう、効率が違うのだ。
今まではずっと何となくで掘っていたせいで全くわからなかったが、場所と深度によって大きく経験値が左右される。
熟練度方式なら、難易度によって経験値が変わるのは当然なのだろうが。
それを知って、ロティスを地下深くまで連れてきたこともあったのだが、ロティスには全く掘り進めることができなかった。
スキルレベルが足りなかったのだろう。
で、いま俺も同じ場面に直面しているということだ。
掘りにくいことは掘りにくいが、全部が全部掘れないわけじゃないので頑張っている。
効率はいいのだが、少しストレスが……
「ステータスオープン」
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種族 土竜(モグラ)
総合評価:中動物レベル
配下:1匹
exp税:1%
スキル
土竜下級 レベル86 exp0
土竜中級 レベル9 exp50
土竜上級 レベル1 exp850
土竜特級 レベル1 exp850
女神の加護 ーー
最高神の興味 ーー
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まぁ、おかげでレベルもかなり効率よく上がった。
全く持って、外で通用する気配はないが。
ロティスが掘れなくなってから、俺が掘れなくなるまで結構距離があったので、レベル一ながら上級と特級は結構強い効果を発揮しているのだろう。
コン、コン、
この石も掘れるようになれば、もっと効率よくなるんだろうが……
まぁ、根気よく掘り続けるしかないのかね。
俺にとって、掘る深度は結構重要だ。
普通のモグラなら、掘るときの経験値判定だけなのでそれほど地下を掘るメリットは大きくない。
わざわざ土を運ばなきゃいけないことを考えると、むしろマイナスかもしれない。
しかし、俺は掘るときと消すときの二回経験値判定が入る。
普通のモグラよりもさが大きくなりやすく、手間も少ない以上掘るなら地下一択だ。
最近は寝床と作業場の距離が遠くなって、ちょっとつらいが。
まぁ、仕方のないことだ。
ミミズとかは、それほど地下深くには存在しないわけだし。
ひとまずの目標は、この石を掘れるように……
「これ、もしかしてオリハルコンか?」
見た目はただの石にしか見えないが、何でも掘れた俺が手も足も出なかったのだ。
オリハルコンじゃないにしても、何らかの鉱石である可能性が高い。
まぁ、だから何だって話だが。
俺とって、はただの邪魔な石ころでしかない。
転生直後は、装備作ってどうたらこうたらみたいな妄想もしたが、モグラがどうやって装備を作るんだって話だ。
……オリハルコンか。
まぁ違うかもしれないが、貴重なものであるのはたぶん間違いない。
ここら辺、一応人間も来るんだよなぁ。
ちょっと試してみようか。
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ー名無しの女神様ー
「おお、死んでしまうとは情けないのぉ」
「ここはどことな? ここはあの世と現世の狭間じゃよ。普通なら、そのままあの世粋なのじゃが……たまたま目についてのう、そなたには選択肢がある。このまま存在事消滅するか、それとも異世界に転生してやり直すか」
「そうかそうか、転生したいか。では行ってまいるとよい」
……ふぅ。
嘘、中抜き、それほど気分の良いものではないのう。
そのうえで、こんな恩着せがましく。
あの世と現世の狭間?
目についた?
そんな場所でもなければ、我にそんな力もないわい。
悪魔……ね。
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ーー次話予告ーー
『第21話 仮称オリハルコンの価値 〇』
明日更新
少しでも続きが気になる、面白いと思っていただけましたら『ブックマーク』『評価』よろしくお願いします。
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