第19話 重税、独裁 〇

 第19話 重税、独裁 〇

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 ー○○ー


「あーあ、どこか行っちゃった」


「おい、ふざけてるのか!? お前のその身勝手な行動で、仲間が死ぬかもしれないんだぞ」


「はいはい。さっきの超高く売れそうだったのに、めったに見ない一級品だよ」


「……なぜ、俺がこんな奴の面倒を」


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 はぁ、はぁ……

 危なかった。


 見つかった瞬間、全身を寒気が。

 ほんとに死ぬかと思った。


 そうだった、モグラ害獣なだけじゃなくて高級品なんだった。

 ますます外に出るべきじゃないな。


 周りの魔物も強力そうだし、人間なんてもってのほかだ。

 まだしばらくは地下生活だな。


 でも、無駄じゃなかった。

 外がどれだけ危険で、人間がどれだけ強いか分かった。

 やみくもにレベル上げするより、ずっとずっと有意義だ。


「ステータスオープン」


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 種族 土竜(モグラ)

 総合評価:中動物レベル

 配下:1匹

 exp税:1%

 スキル

 土竜下級 レベル41 exp1

 土竜中級 レベル5 exp1

 土竜上級 レベル1 exp401

 土竜特級 レベル1 exp401

 女神の加護 ーー

 最高神の興味 ーー

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 少なくとも、上級できれば特級をレベルアップさせておきたい。

 でなければ、ちょっとした探索すらままならない。


 これまで見たいな惰性ではなく、ガチでレベル上げしなければ。

 目的をもって、効率を求めて。

 せっかく異世界に転生したんだ、ファンタジーな中世ヨーロッパの街並みという奴を見てみたい。


 それに、いざというとき守らなきゃいけない命もある。


 とにかく、掘って掘って掘りまくれ。


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「キュウ、キュウ」


「ん? ロティスどうかしたか?」


 広間に戻ると、いつもゴロゴロしているロティスが駆け寄って体をこすりつけてきた。

 珍しい。

 いつもはかまわずごろごろしてるか、押し倒すかの二択なのに。


 人の声、ここまで聞こえたのだろうか?

 いや、それなら俺も普段から聞いてるはずだ。


 ……ああ、そうか。

 俺が感じた危機感を感じ取ったのかもしれない。


 文字通り、命の危機を感じた。

 配下のロティスに伝わっていてもおかしくない。

 危機感と同時に、こっちに来てほしくないという思いも伝わったのだろう。


 だから、何もできずただ心配で、か。


「心配かけたな。この通り、何の問題もないぞ~」


「キュウ」


 正直、ロティスが俺のことをどう思ってるか気になってたが、それなりに気に入ってくれてるみたいで安心した。


 え、交尾?

 いや、自然界の動物が、モグラが何気中でするのか知らないし。


 そういえば、最近ロティスのステータス見てなかったな。

 レベル上げ頑張ってたし、結構上がってるのかな?


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 名前:ロティス

 種族 土竜(モグラ)

 総合評価:小動物レベル

 配下:23匹

 exp税:10%

 所属:土竜(モグラ)配下

 スキル

 土竜下級 レベル46

 土竜中級 レベル3

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 ……え?

 exp10%?

 配下23匹?


 ま、まぁ。

 いったんおいておこう。

 結構レベルが上がってる。


 ただ、これがレベリングの成果なのかは、曖昧だが。


 配下23匹か。

 特にモグラが増えた様子はないが……

 ああ、敵モグラの配下を直属の配下にしたのか。


 関節でも何も問題ないのに、なぜ直属にしたのかといえば、exp10%だろうね。


 ……10%って、ちょっと重税すぎやしませんかね?

 1割よ、1割。


 せっせと頑張って貯めた経験値を1割も……

 お金に例えれば……ん? 

 10%って消費税か。


 現代の税金が平均年収で約20%、それプラス消費税なのを考えると、まぁそんなに厳しいわけでもないのか?


 ま、配下も減らずうまくやってるならいいか。


 くれぐれも、暴れん〇将軍みたいにならないことを祈る。

 民衆を無視して増税し続け、一揆でもされたら大変だ。


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 ーー次話予告ーー


『第20話 レベリング ※』

 明日更新


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