第11話 借りて来た猫ちゃん
僕とアリスは、宿を無事確保できた。
「中々いい部屋ね。さ、今夜こそは初夜よ!!大人しくしな、ん!!」
悪いけど先手を打たせてもらった。
「んっ!ちょっと待って、あっ・・・んー!ん!・・・・・・んんっ♡はぁ♡んっ♡」
アリスは、いきなりのことでびっくりしてたけど徐々に力が抜けとろんとした顔になった。
「んっ♡はぁ〜、はぁ〜、卑怯よ。いきなりキスをするなんて・・・・・・恥ずかしい」
「別にいいじゃないか。昨日の夜、散々、しようとして来たくせに。それに僕はこんなに可愛いアリスが見れて嬉しいけどな」
「もう、バカ♡ねぇ・・・もう一度キスして?」
「喜んで。お姫様」
僕は、そっとアリスに口付けをする。
だが、男としてそれだけでは終われず僕とアリスはひとつになった。
「ねぇ、リト」
「ん?なに?」
「愛してる」
「ありがとう。僕も愛してるよ」
僕は、そっとアリスを抱き締める。
アリスもそれを返すように抱き締めてくる。
目が合い、2人して微笑んだ。
婚姻自体、流れでだけど夫婦となって本当に良かった。
アリスの頭を撫でてそのまま眠りに着いた。
ちゅんちゅん。
日差しと鳥の鳴き声で目が覚める。
腕の中で規則正しい寝息が聞こえる。
あぁ〜、なんて幸せなんだろ。
腕の中でもぞもぞと動き出し、目が合う。
「おはよう、アリス」
目をパチパチさせたアリスは、顔を真っ赤にして僕の胸に顔を押し付ける。
「おはよう、リト。恥ずかしいから見ないで」
「ふっ、アリスは可愛いな。朝食を摂ってギルドと街を見て回ろうか」
「そうね。ここの大陸の依頼をチェックしなくちゃね」
そう言って僕は起き上がる。
毛布がめくれ、綺麗な形をした双丘があらわになる。
「きゃっ、もう、リトのエッチ」
朝食を摂った後、僕らはギルドへ来た。
ここに来るまでアリスは、僕の腕にくっついて素晴らしい笑みを浮かべ終始、ご機嫌だった。
ギルドの戸を潜ると、いきなり声をかけられる。
「おうおうおう、女はべらかせていいご身分だな。姉ちゃん、そんなやつほっといて俺といいことしねぇ〜か?」
ここでテンプレ発生か。
「いや!リト怖いよぉ〜」
なんだ、この借りて来た猫のようなアリスは。。。
僕は苦笑いをしてしまう。
「お兄さん、僕たちは新婚旅行でこの国に立ち寄ったので妻に言い寄るのは辞めていただけませんか?不愉快ですので」
「なんだとぉー!てめぇ」
今にも掴みかかってくる勢いだった男だが、
「おいバカ!何やってんだテメェ!その人に絡むんじゃない」
「ぶへぇ」
他の冒険者にラリアットをくらい引きずられて行く。
そして、他の冒険者の人が謝りに来てくれた。
「すみません。このバカには言い聞かせるんで勘弁してもらえないですかねぇ?本当に申し訳ない」
「少し、怖かったんですけど言い聞かせてくれるなら私はそれでいいわよ?リトどうするの?」
「まぁ〜仲間内で止めてくれてるしアリスがそれでいいならそれで手打ちにしようか」
喧嘩を買いそうなアリスに違和感しかない。
でも冒険者の仲間内で止めたりするのには好感が持てたな。
案外、この大陸の冒険者も人がいいな。
ユキヒコくんに教えてあげよっと。
僕の親友は作家さん〜旅の経過報告したらネタにされた件〜 八浪 凛 @Speed8273
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