第54話 勇者を狩る者 ブレイブスレイヤー

「俺がお前らを許すはずがないだろう。勝手な解釈をするな!!」


俺の怒りと共に勇者三宅は燃え上がりすぐに灰になってこの世界から消えて無くなった。

今回の勇者三宅は、いつも通り最低な奴だったが、ステータス値は明らかに俺よりも劣っていたので今までの対勇者戦よりも楽に勝利を収めることが出来た。

これは確実に俺が強くなっている事を意味しているが、あの男、俺の妹と幼馴染を死に追いやった勇者岡田義親はどうやら十二勇将らしい。

勇者の中でも最強の十二人。瞬神岡田の強さがその中の何番目かは分からないが、今の俺に手出しできる強さでは無いのは理解出来る。

今回の戦闘では数値上は俺と三宅の差は最大でも数百程度だったはずだが、思った以上に力の差を感じ完封する事が出来た。だが岡田と今の俺のステータス値は最低でも数倍下手をすれば数十倍の違いを持つだろう。十二勇将である岡田正親は、遙か遠い。この絶対的ともいうべき差がすぐに埋まる事は無いだろう。

ただ先程の戦いでも俺のステータスは確実に上昇しスキルも増えているはずだ。


「たとえどれだけ殺したとしても……絶対に超えてやる。俺が強くなる為に勇者全員を殺す必要があったとしても絶対に岡田だけは殺す! 絶対にだ!」


今の俺と岡田は以前の俺と勇者秋葉程に力の差がある。しかも秋葉と違い運に頼ることは期待できないだろう。

俺が岡田に勝つには今のステータスを遥かに超える力を身に着ける必要があるが、それが簡単なことではないのは分かっている。

だが俺はリュカとセリカに誓って必ず奴を殺してみせる。


「リュカ……セリカ……待っていてくれ。岡田を……勇者を地獄へ送ってみせる。それまで待っていてくれ。あいつの首を土産に持っていくから、また三人で……」


俺が勇者というこの世界の絶対的な理を変えてみせる。

悪たる勇者をこの世界から根絶やしにするまで俺は戦い続け、どれだけの時間がかかったとしても、俺が必ずどの勇者よりも強くなってリュカとセリカが安心して笑顔で生まれ変わってくることが出来る世界にしてみせる。

俺はブレイブスレイヤー、勇者を狩る者だ。この能力は神が、そしてリュカとセリカが勇者を殺す為に俺に授けてくれた力だ。俺は自分の使命を果たす!

それまでは絶対に死ねない! たとえ十二勇将が相手だとしても絶対に勝ってみせる!

リュカ! セリカ! お願いだ! 岡田を十二勇者を殺すまででいい。どうか俺に力を! 

それまでは決して俺の戦いが終わることは無い。


あとがき

これで完結です。

続きを想起させるラストとなりましたが、一応当初の予定通りです。

本作は転生勇者が善で最強というテンプレを壊したいと思い書き始めましたが、本流から大きく外れる為中々苦戦しました。

週末から新作 サバイバー最弱の俺はクズスキル『フェイカー』で天使な彼女とSランクを目指す を開始予定です。現代ファンタジーです。よろしくお願いします。

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勇者を狩る者 ブレイブスレイヤーに目覚めた俺は勇者を殺すために最強を目指す 海翔 @kawakaito

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