勇者を狩る者 ブレイブスレイヤーに目覚めた俺は勇者を殺すために最強を目指す

第49話 三人で食事

このお店……俺が普段行っている店よりもグレードが高い店らしい。

「いらっしゃいませ。本日はコース料理にしますか？　それともアラカルトのメニューをお持ちしましょうか？」

「じゃあカラカルトのメニューをお願いします」

アラカルト？

明らかに朱音は慣れている風だ。

「朱音、この店に来たのは初めてなんだよな」

「はい、そうですよ」

やはり勇者は俺達とは違い元々がお金持ちなのかもしれない。

「せっかくだから、みんなで取り分け出来る様に色々頼みましょうよ」

「そうですね」

「ああ……」

結局二人主導で注文された料理が運ばれて来たが、一皿ずつの量はそれ程でもないが、盛り付けがやたらと綺麗に盛られている。

食べると、たしかに美味しいが、二人はいたく気に入ったようで

「朱音ちゃん、これスマホで撮りたいところなのです〜」

「うん、美味しいね。イタリアンっぽい味付けだね」

「こっちに来てから男の料理みたいなお店が多かったので、感動なのです〜」

「うん、なんか懐かしいよね。もしかしたらもっと前に来た人達が広めたのかも」

「そうですね。これは絶対女の人のセンスですよ」

まあ喜んでくれている様なので来てよかった。

順番に出される食事を取り分けて食べていると突然男の声がする。

「君達、最近こっちに来たの？　どこのグループに入ってるの？」

「え？　私達ですか？」

「そうそう、君達二人だよ」

「特にグループには……」

「じゃあさ〜。是非俺達のグループにおいでよ。俺は三宅慎吾って言うんだけど、俺のいるのは炎帝神崎さんのグループなんだよね〜。君達みたいな子大歓迎なんだよ」

炎帝？　聞いた事は無いが口ぶりから有名人なのか？　もしかして十二勇将とやらの一人か？

それにしても食事の最中に失礼な奴だ。

「いえ、私達はそういうのには入るつもりはないので」

「いやいやいや、女の子だけじゃあ、こんな所じゃ不安しかないでしょ。うちにおいでよ。手取り足取りここの事を教えてあげるからさ〜」

「いえ、そういうのはリュートさんもいますし大丈夫です」

「リュート？　誰それ」

「俺だ」

面倒だが、これ以上放っておくと朱音と蒼花がうんざりしてそうなので割って入る。

「あれ〜いたんだ。黒いから分からなかったよ。もしかして君も勇者なの？」

「いや、違う」

「じゃあ、この世界の人？」

「ああ、そうだ」

「ふ〜ん、じゃあ彼女達もらっていいよね」

「何を言ってるんだ？」

「だから彼女達もらっていっていいよね。君には勇者二人は無理でしょ」

「だから何を言ってるんだ？　彼女達は物じゃない。それに意思もある。お前には断り文句と言うのが理解できないのか？」

「あ〜！？　お前何言ってくれてんの？　女の子二人に囲まれて勘違いしちゃってんの？　殺すよ？」

やはりこいつの本性はこんなものか。

「あの〜三宅さん。私達本当にグループとか結構です。朱音ちゃんとリュートさんがいればいいのでごめんなさい」