第6話 モンスターを狩る
「ギャギャギャ」
声のする方に慎重に進んでいくと前方にはゴブリンが二匹いた。
以前戦った時には一匹のゴブリンに対して三人がかりでかかったが、今回は俺一人。しかも今回ゴブリンは二匹だ。かなり不安もあるが、ここで引いていては、次の勇者を倒す事など夢物語となってしまう。
俺は息を殺しでゴブリンの方へ近づいて行く。
近づきながら剣を構えて、ゴブリンの片方に狙いを定め、そのまま距離を詰めて行く。
後方から迫り、後数メートルの距離まで迫った俺は一気に踏み込んで間合いを詰めて剣を横に振るった。
少しの抵抗感を感じながらも俺の剣での一撃はゴブリンの胴体を完全に切断する事に成功した。
異変を感じたもう一匹のゴブリンがこちらを向くが、俺は間髪入れずに剣を突き出し、ゴブリンの胸を貫いて絶命させる事に成功した。
「ふ〜、思ったより簡単に倒せたな。やっぱり本当にステータスが上がってるんだな」
実際にゴブリンを相手にしてステータスの上昇を実感する事が出来た。前回あれほど必死で戦ったゴブリンを一太刀の元に葬り去る事が出来た。
俺は確実に強くなっている。
戦闘後に俺は自分のステータスを確認したが特に変化は無いようだ。
恐らく今の俺のステータスからするとゴブリンはかなり格下なので倒したとしてもステータスが上昇する事は無かったのかもしれない。
だとすれば、もっと強いモンスターを相手にする必要がある。自分と同等かそれより少し下ぐらいのモンスターを相手にしてみないと効果は分からないだろう。
次のモンスターを探す前にゴブリンの胸に剣を刺して中から魔石と呼ばれる、魔力を蓄えた結晶を取り出した。
かなり小さいが、これでも一個で俺の一日分の稼ぎを超える。なのでしっかりと二個回収し、次のモンスターを探して奥へと進んで行く。
ゴブリンの平均的なステータスの値は五十前後と言われているので、今の俺の数値を考えると平均値で二百以上の値を持つモンスターを相手にする必要がありそうだ。
二百を超える値を持つモンスターは、どいつだろうか?
俺は更に進んで行き、またゴブリンと遭遇しあっさりと倒す事が出来た。
やはりゴブリンは繁殖力が高いモンスターと言われているだけあって個体数が多いのかもしれないが、倒した後にステータスを確認してみてもやはり変化は見られなかった。
もっと強いモンスターと戦う必要がある。
どこにいるんだ?
そう思いながら森を歩いていると奥からゴブリンとは違う音が聞こえて来た。
「ブヒイイイ」
間違いなく何かのモンスターの鳴き声だ。
俺は静かに音のする方に近づいて行く。
音のする先には人型の豚のモンスターがいた。
実物を見るのは、初めてだがあの特徴的な姿は間違い無いだろう。オークだ。
ゴブリンよりは上位と認識されているモンスターで確かステータスは七十〜八十といったところのはずだ。
いずれにしても今の俺なら問題なく倒せるはずだ。
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