第4話
一週間後
俺は一人で公園にいた。
土曜日の昼間だ。特にすることもなく、ただの散歩でやってきている。
あれからの事態は早かった。
主犯は結構な罰を食らったらしい。俺は別の学年のためよくわからんが色々あったらしい。
ミナミ先輩は別のクラスに移動され、そこで仲良くやっている姿があった。ていうか周りに男いすぎでしょ。
彼女からは離れ、一度も話していない。
こんなことで彼氏となるのは最低だろう。それに彼女だって恋人になるのは彼女の好きな人がいいだろう。
「こうして手を引くのもまた一興か……」
俺の役目はここで終わったのだ。これ以上彼女の事情に深入りするのは失礼に値するだろう。
自分も虐めに遭い、人の心には敏感だった。
誰も信じれず、ただ孤独に生きてきた。そんな中出会ったのが先輩だった。
きっと彼女も居場所を求めていたのだろうが、俺にとってもその出会いは奇跡みたいなものだった。
その日から俺の日常は楽しかった。友達も出来て、先輩との時間は最高だった。
「シュン君!」
俺はその身に覚えのある声の方に振り向く。
「先輩、何してるんですか?」
「シュン君、この前はごめんなさい。あんな告白ひどいよね、忘れて」
あ~あ、前言撤回。
俺も最後の大仕事を終わらせますか。
俺は去ろうとする先輩の手を握る。
「わかりました、忘れます」
「……そう」
「だから!今度は俺に、やらせてください!」
「ふぇ!?」
「先輩、好きです。結婚したいほど大好きです!」
「…………」
「お、俺と付き合ってください!」
これで散ってもいい。
俺はただ自分の想いをぶつけた。
「と、とりあえず、家に来ない?今、親いないし……」
「へ?」
「付き合って初日に家に連れ込んだのは誰かなぁ?」ニヤニヤ
ギク!!
「い、いや、でもあれは――」
その瞬間、俺は口を防がれた。
何で防がれたのかは皆さんの想像にお任せします。
「フフッ///しちゃったね♪」
「あ、え、いや」
「それじゃ、行こうか。返事は家でたっぷり教えるから♡」
「…………はい///」
END
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