第3話
「おい、あんな美人今までいたか?」
「いや、知らねぇよ。だれだアイツ」
「やっべ、惚れそう!」
そんな言葉が学校中に響き渡っていた。
へっへ~ん。どうだ見たことか。
先日、俺はミナミ先輩を床屋に連れていき、その長い前髪を切ってもらった。
いつも通っていた床屋だったためその店主とは仲が良く、その日俺は
『シュン!こいつぁ、えれぇべっぴんさんを連れてきたな!』
『でしょ?これぞ、ダイヤの原石って奴っすよ!』
なんて会話で盛り上がっていた。
「え、あれミナミかよ!?」
「信じられない」
「WOW」
俺は彼女から離れた位置で聞いていた。彼女が教室に入ったのを見計らって、俺は自分の使命を全うすることにした。
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―――
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『え~、今週もお昼の放送です。毎度毎度、このラジオをやっていますが、生徒からはかなり好評らしく、ありがたいことです』
『ええ、本当にありがたいものです』
俺はいつものようにマイクに口を近づけながら、ラジオトークを始める。相方もがんばっている様子だ。
そう言えば言ってなかったな。俺の委員会は放送委員だ。
『実はですね先日、告白されたんですよ!』
『なんと!!』
『それがですねぇ、どうも虐めの一環だったらしいんですよ』
『なんですと!?つまり虐めっ子たちから無理やりお前に告白されたと』
『そうなんですよ~』
すると教室側のほうからガヤガヤと騒いでいる声が聞こえてきた。
『そこでですね、いじめを受けていたその人物に虐めのことを聞いたんですよ。その時のボイスレコードがここにあるんですよねぇ』
『ほほう、つまりこれで虐めの主犯格をその子の代わりに教えてあげると!』
『はい!という事で流していきましょうかね!』
実は昨日、ミナミ先輩の音声をスマホで録音していた。
そこには虐めっ子たちの名前と虐めの内容が入っており。
泣きながら、「こんなの嫌だ」と言っている女の子の声が入っている。
『いやぁ、まさかこの学校でこんなことが起こっているなんて。びっくりですよね!』
『さてさて、この名前の人は至急、校長室にいそぎましょうね~w』
『お主も悪よのぉw』
事前にこのことは先生方に伝えているため、ただいま鬼の形相で待っている校長先生がいることだろう。
どうだ、虐めっ子たちよ。これが彼女の気持ちであり、お前らに対する処刑だ!!
さいっこ~に、ハイ↑ってやつだぁ!!
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