第4話【無知な保育士】
『自分は発達障害者』──。
「今まで、どうして『変わった子』や『不思議ちゃん』だったのか、分かった気がする…」
そこから美由は、また強くなりました。いまいち接し方の分からなかった発達障害児に対しても積極的に接するようになっていきました。
一方、他の保育士は…。
「あの子。絶対に発達障害よね」
保育中に自分の指示を聞かなかったりする子がいると、平気でそう言っていました。
その中には、僕達は“違うと思うけどな~”と思う子ももちろんいて。
幼稚園でいう年長クラスの子なのに全く笑わず話さない子がいると、「笑わないし、言葉の発達が遅れている。発達障害だ」と言ったり。
その子は僕達には少しだけ話しかけてくれてはいたので、その子には「お父さんやお母さんに今日保育園であった事をはなしてごらん」と話し、保護者には「お忙しいとは思いますが、この子が保育園で今日やった事を聞いてあげてください」と伝えました。
それを続けると、卒園する頃には自然に笑顔も出始め、他の保育士にも話しかけられるようになっていました。
今思えば…。その子の家庭は、ただ会話が少なかっただけだったのだと思います。
無能な保育士も嫌ですが、無知な保育士は本当に怖いものですね。
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