第4話【演劇部で演技を学んだアヤは、最強だった】
「小学生の時にドラマを見て、“こんな俳優さんみたいになりたいな”と思ったからです」
これは、『何故中学校で演劇部に入ったか?』と先輩から尋ねられた時に美由が答えた理由です。
まさかその数年後、彼女自身がそのドラマのようになってしまうとは──。
そのドラマは、解離性同一性障害をテーマにしたものでした。
「自分も将来、こうなる気がする…」
「自分も将来、こういう感じの隔離病棟に入る気がする…」
と、ふと小学生の時に美由が言っていましたが、2つとも当たりました。
本当に美由は、勘が鋭い。
美由が消えてしまい、アヤが表に出ている間も、もちろん生活はガラリとは変わりません。
なので、アヤも演劇部で演技を学び続けました。
演劇部の顧問はとても演劇熱が強く、しっかりアヤたちに演技を教えてくれました。
美由の演劇部の入部理由が『好きな俳優みたいになりたい』ならアヤは『人をだましたいから』。
ドラマのパロディーで傲慢(ごうまん)なお嬢様役を文化祭のクラス劇でやった時は、「すごく面白かった!」と、とても誉められていました。
美由も1年生の時に幽霊役をやりましたが、比べ物にならないほどでした。
そうしてアヤは、どんどん演技力をつけていきました──。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます