第7話再び訪問した後輩
3時過ぎにインターホンが三回鳴らされた。
「お届け物でぇーす」
男性の声が聞こえ、宅配が来る予定だったかと思いながら、玄関扉を開けると立っていた人物に怯え勢いよく閉めようとすると相手が抵抗する。
「弘貴先輩、話を聞いてくださいっ。騙したのは悪いと思いますが、こうでもしないと話せないと思って」
「ここまでされると縁をきることをかんがえるっうんでぇ、すぅーけぇどぉー」
「それだけは、それだけはやめてくださいぃ。弘貴先輩と一緒にいたいんですっ!」
「何してるの?鈴音ちゃん」
母さんの声が聞こえた。
「弘貴先輩ぃがっ、中々いれてくれなくて」
「私も上がれないから開けて」
「お邪魔します」
「はーい。ゆっくりしていってね、鈴音ちゃん」
「はい......」
俺の横を母さんと宮倉が通りすぎていく。
「これなんですけど、よかったら皆さんで食べてください」
「ええ、いいの鈴音ちゃん!ありがとうね」
リビングからそんな会話が聞こえてくる。
「弘貴先輩......」
リビングに脚を踏み入れると、椅子に腰掛けながら呼んできた。
「何ですぐに帰らなかったんだよ」
小声で聞くと、すぐに返答した。
「どうしても、仲直りがしたくて......それで」
「何こそこそしてんのよ、二人とも」
「ちょっと」
「はい......」
「邪魔みたいだから、少し出ていくね」
母さんはどこかに出ていった。
一時間会話は続いたが仲直りはできずに終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます