第3話 カルーアミルクを飲みながら終わらせる話

カルーアミルクって初めて聞いたときにゲロ甘なお酒何だろうなと思った。実際に飲んだ時も感想は変わらず。私自身甘いお酒は好まない。


しかし、気づけばカルーアの大瓶を購入していた。そいつは素知らぬふりで我が家の台所に鎮座している。ポップなラベルが、「やっぱり私のこと好きなんでしょう」と語りかけてくるみたいで少しいけ好かない。


衝動買いだったと思う。牛乳も甘いコーヒーも興味がない私の家にあるカルーアなんて、馬鹿みたいな話だ。


シトシトと雨が降る晩に、私は提出課題と向き合っていた。苦手な科目の課題、これを出さなければ単位はない。私は必死で教科書とネットに向き合い拙いタイプで文字を打ち込んでいた。飲み物を準備していなかったことに気がつき台所に向かうと、黄色のラベルが私はここにいるのよ、と語りかけてくる。ちょうどいい事に、牛乳が冷蔵庫に居座っていたので私は何の気まぐれか、そのお酒を作ってしまった。


席に戻り一口飲む。美味しい。あれ、これってこんなに美味しかったっけ。


際ょうに戻り数時間、課題を終わらせた私はコップに口をつけるがふと飲み物が空っぽな事に気がついた。いつの間に飲み干していたのかしら。


嫌いと思っていたものが、対して嫌いじゃないと気がついた時拍子抜けるあの感じ。


私、案外あなたのこと嫌いじゃなかったのね。



今日の話はここまで。

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