第77話
病院に着くと、教授が入り口の所で待っていてくれた。アンディを降ろし軽く世間話をして、古城は花音のマンションに戻った。いつものようにチャッピーが出迎えてくれる。
「ただいま」
チャッピーの頭をなでた。
“ゴトン”
チャッピーが慌てて花音の部屋に向かう。古城も着いて行く。
部屋を開けると、花音はソファーで眠っていた。読書していたらしく床に本が落ちていた。チャッピーが優しく鼻でつつくが目を覚まさない。
古城が花音を抱きかかえてベッドに寝かせると、チャッピーは花音を守るように枕元へと体を寄せてうずくまった。
“お前、花音ちゃんのこと好きなの?”
アンディの言葉が浮かんできた。
力になりたいとは思うが、それが好きに繋がるのかどうか……
それに、凛の苦しみを気づくことさえできなかった自分が、誰かを好きになっていいものなのか……古城には判断がつかなかった。
古城は気持ちを切り替えるかのように頭を振ると、部屋を出た。リビングに戻ってパソコンを開く。そして、送られてきた大量の資料に目を通した。
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