物書きならだれもが感じたことのある執筆のきっかけやら、書いていることを同じクラスの人間に言えないなどのあるあるといった青春小説っぽさのある冒頭から物語ははじまる。だけど、設定は流行りのVRっぽさや、SFチックもありながら作家とは何か、といった誰もが自問したり疑問に思うことを論じて見せる。
問題提起しているように見えて作者様は、きっと自分でもう答えをお持ちなのだろうと思えた。そして、この作品のよいところはちゃんとエンターテイメントであるということ。
一種の自虐ネタにも思えたが、これは一貫して、主人公と先輩の青春の一ページでもあるのだと思う。