【完結】文書(ぶんしょ)ロイド文子シリーズ原典 『サッカ』 ~飽話(ほうわ)の時代を生きる皆さんへ~ 俺は何が何でも作家になりたい! そう、たとえ人間を《ヤメテ》でもなぁ!!
【第20話】王者兼道の見る世界 果てしなき死出の旅への誘(いざな)い《この世で唯一の創作者》(※神を喰らった王者兼道視点)
【第20話】王者兼道の見る世界 果てしなき死出の旅への誘(いざな)い《この世で唯一の創作者》(※神を喰らった王者兼道視点)
「じゃあ、早速、
「
「待った無し、で、ありんすよ。わっちは
ヌシが気だるい視線を俺に送る。
「スキ有りだよ!」
そんな俺の心情を知ってか知らずか、ヌシに喰らいつく先輩。
「何のつもりでありんす?」
さっきの
「やっと、やっとこの時が来た! やっとおじい様の
万感の想いでこの時を待っていたであろう先輩はヌシに言葉を浴びせかける。
「私はもう、負けない。あの時みたいにあなたに怯えたりしない。
途端、ヌシの身体は光彩を欠き、ぼやけた
「そして、ピョンちゃんを救うこともできる。もう、苦しまなくていいんだよ。私が、私がいるから。私だけが、ピョンちゃんの
涙が止まらなかった。だが現実は
『
『
『それに引き替え』と哀れみを込めた
『
『作者として読者におびえ、でも読者を辞められない『
『まことに『
『まあ、僕には『
高笑いするヌシに、すでに取り込んだはずの
「ああああーーーーー!」
訳の分かんねえまま、俺はヌシに殴りかかっていた。ってか、さいきんこんなんばっか。バカだ。
「ぐっ、落ち着きな。ピョンちゃん」
「今、この身体はこの女半分、私が半分。でもさあ、この女と一つになって、どうしようも無く分かっちゃったのさ。
「もう、なにも言わないで下さい」
俺は
「辛くて、苦しくて、読者に逃げちゃった。『君だけの読者』と言えば聞こえはいいけどね。……あれほど君に『書くことから、逃げるな』と言ったのにねえ、情けない限りさ」
弱々しく呟いた先輩は、申し訳なさそうに俺を見据えた。あとは、もう、言葉は要らなかった。
『じゃあ、改めてよろしくでありんす』
切り替わったヌシの
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