【完結】文書(ぶんしょ)ロイド文子シリーズ原典 『サッカ』 ~飽話(ほうわ)の時代を生きる皆さんへ~ 俺は何が何でも作家になりたい! そう、たとえ人間を《ヤメテ》でもなぁ!!
【第17話】壊れゆく想いの果てに(オール・キル・ニード・ユー)そして 神・降・臨
【第17話】壊れゆく想いの果てに(オール・キル・ニード・ユー)そして 神・降・臨
――俺は壊れた。
人類とサッカ達が激突する決戦の地で(といっても夢の中というか、仮想空間だが)あてもなく暴れ歩く。発現した六対の翼で暴風のように戦場を跳ね回り、見つける者を人間、サッカ関係無く『
まさに、血も涙も無い狩りゲー。
「オール・キル・ニード・ユー」
俺の眼前にはホールドトラップよろしく動きを封じられた無数の
「ここは俺の……『
だが、なんの感情も湧かない。ただただ『作業』をこなす。心が驚くほどのスピードで冷えていくのを感じる。ヨシナリさんを、そして文子を失った哀しみが心を満たしたからだろうか?
そういえば、バトルマンガやヒーロー物で『悲しみを極めた主人公』がものすごい力ないし能力を発揮するシーンが良くあるけど、今ならその気持ちが分かる気がする。
「俺は……本当に……独りになってしまった」
呟いた言葉が、今の自分の状況をいやがおうにも思い出させる。
「おとなしくしてもらおう!」
「なんだ、
俺を止める
だが、俺は思い違いをしていた。文子は消えてなどいなかった。
『悲しみを極めましたね……今のマスターは『
『そうだな、おめえらしくない出で立ちだよな』
「言ってろ、クソ野郎共」
俺の中に居てくれた文子とミツバチに安堵を覚えつつもぶっきらぼうにしか言葉を返せない俺。そして、その時々の俺の気持ちをいつも皮肉を交え的確に表わす文子が今は妙に頼もしかった。
「まったく、お前を止めるために我はとうとうあのお
「……」
当然、俺の脳内のやり取りを知らないので素っ気なくあしらわれつつクソ野郎呼ばわりされたと誤解して若干むっとしていたものの、落ち着きを取り戻し
「自らの身体を貸したが、なかなかに骨が折れたぞ」
「そうですね、神、久方ぶりに我らに神のなんたるかを見せていただきたく」
「じゃあ、はじめるかあ、ちょっと、君、色々やりすぎだよ、壊してばかりじゃ、何も創れないよ」
俺はニヤリと口角を歪める。一度は文句を言いたかった相手が、わざわざ向こうから出張って来た。それは願っても無いことだからだ。そしてヨシナリさんやミツバチ達の想い、全てを込めて。
「じゃかあああしいいいいいーーーー!」
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