【完結】文書(ぶんしょ)ロイド文子シリーズ原典 『サッカ』 ~飽話(ほうわ)の時代を生きる皆さんへ~ 俺は何が何でも作家になりたい! そう、たとえ人間を《ヤメテ》でもなぁ!!
【第5話】たった一人にだけ当てた私の『物語』(おじさんと姪っ子の絆)《おじさん視点メイン》
【第5話】たった一人にだけ当てた私の『物語』(おじさんと姪っ子の絆)《おじさん視点メイン》
たまたま1億そこそこの土地と遺産を引き継いだ警備員で金と女にはだらしない(同人誌とガンプラ買い漁り、風俗通いがやめられない素人童貞アラフォー)の事例だよ。
といっても、姪っ子は『文字が読めない』ことと『話すことができない』だけなんだよ。まったく
父親(僕の弟)からは。
「コイツが生まれたのは一家の
そう言って、姪っ子に何の関わりも持とうとしない。あげくに。
「テメェみたいな
と、
でも、小説を書くことが好きでいつか作家になりたいと思ってた僕は姪っ子にも同じ趣味を持ってもらおうと、姪っ子に向けて童話や児童小説の朗読を始めた。
役者よろしく全力で『演技』しつつ朗読していくと、ときおり笑顔を向けてくれるし、なんとなく物語を『理解』してはくれていると思った。
だけど、
――――姪っ子とコミュニケーションを
姪っ子の状態は医者達が言うには。
▼文字が『読めず』言葉を『発せない』障害。情緒が不安定になり、
急に視力を失ったり、手足を失ったり、言葉(
……昔、就職活動で精神的な障がいのある人が入院する病棟の面接を受けに行ったことがあるけど、あそこの人たちには『
【人は『未知のモノ』に
自分と
自分たちとは『
「だから『
小学校に入るか入らないかの年齢ですでに彼女の
「いいじゃねぇかぁ!『
「その遺産をせいぜい俺の長女の為に使って『
言われて、怒りがこみ上げる。『コイツらはどれだけヒトを見下せば気が済むんだ!』と。しかし同時にこうも思う。僕もヤツらと同じなのではないかと。かわいい姪っ子のことを恐怖し、遠ざけ、
いつか、エライ人が言っていた『知らないとは恐怖だ』のイミが痛いほど分かった。
だから僕は
そして僕はインターネット上で文子を手に入れる。
有限会社 MUST
ただし、度を過ぎた【
少し文言が脅しめいていたけど気にせずダウンロード!
そして僕は『
そして、姪っ子の精神世界はというと。
【
光に包まれた世界、巨大な世界樹、虹色の液体で構成された魚が空を飛ぶ、幻想的な世界。聖書の光景の一部を切り取った
これが、姪っ子の中の世界。満たされる。今まで姪っ子のことを理解出来なかった自分がどうでもよくなっていく…………。あぁ、もっと、もっとこの世界に溺れていたい。ずっとこの
【警告:共有化が
なんかバグった警告が聞こえた気がしたが、これで僕と姪っ子は【ひとつに】なれたんだと分かった。それはとてもここちよくて満たされて【キ☆モ☆チ☆ノ☆イ☆イ☆コ☆ト】で…………それ以来、僕と姪っ子の
「で、今はこういった
「やけにノリノリだな、オイ、このバケモノ」
「自分がヒトで無いことになんの不安も不幸も感じていないのはさすがです」
俺と文子は
『ありがとう解放してくれて。やっとやっとおじさんのココロを私につなぎとめていられる』
この
本当に、ほんとうに、
『できた物語って
喜びのあまり一方的に持論を展開する姪っ子。
『わたしにとってはたったひとり大好きで大切な【ひと】おじさんにさえ見てもらえば、認めてくれれば、もうそれだけで満たされる。ココロがポカポカしてきもちいい』
『おじさんと身も心も繋がって溶け合ってぐちゃぐちゃに混ざり合ってひとつになれた。ここまでなれたのはひとえに我が身の
『ハッ! あんたは《たいした》
『うらやましいんですね』
文子のツッコミにも黙るしかない。
だってそうだろ。
あのおっさんは姪っ子の出したものならそれこそ『ブタのエサ』だってくうぞ!
姪っ子の方だってどんな物語を作っても美味しいおいしいと食ってくれんだから、作りがいがあ、あるんだろうな!テンション爆上がりったあ、このことだ!
本当に『メシうまああああーーー!』な関係だわ。
だがしかし、よく考えたら、そうやってお互いがお互いに依存する『
そんなヌルイ状況、
考えが一瞬よぎるも、すぐに
でもなんかいいなあ。2人とも幸せそうだし。そう思うゆえに。
「あの二人の関係性がうらやましいんですね? マスターとミサキ先輩の間には生まれなかったものですから」
「ああそうだよ」
図星をつかれてイライラが増す。
「俺も、先輩にだ……先輩にだけ認められればそれでよかったのに……どうしてああなっちまったんだよ……ちくしょうめ」
後悔とともに先輩と別離したときの光景がフラッシュバックされ、思わず
「たった一組の読者と作者、しかしその関係はいたって良好」
「わぁーってるっていってんだろぅがっ!」
思わず怒号で返す。
「?」
おじさんはここだけ聞いても当然、理解はしていないみたいだ。
俺はココロのコエで姪っ子に対してぼやく。
『せいぜい幸福にヤれや! このバカップル共がっ!』
『ありがとう』
嬉しそうにほほえむ姪っ子はたまらなく
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