【完結】文書(ぶんしょ)ロイド文子シリーズ原典 『サッカ』 ~飽話(ほうわ)の時代を生きる皆さんへ~ 俺は何が何でも作家になりたい! そう、たとえ人間を《ヤメテ》でもなぁ!!
【第2話】『ゲーム』に参加します(王者兼道の意志)
【第2話】『ゲーム』に参加します(王者兼道の意志)
……きっかけはヨシナリさん家に転がり込んで数年が経った頃、俺に届いた
『『
『『
『撃退したモンスターは『話の断片』を落とすぞ。集めて物語を完成させよう』
まあ、あれだ。『討伐』と『収集』と『パズル』要素をバランス良くまとめたゲームだ。
モンスターを倒す要素、話の断片を集める収集要素、集めた断片を上手に纏めるパズル要素、全てがゲーム好きの感性を揺さぶる作りに成っている。
「でも、これって、歪みきってるよなあ」
誰に言うでも無く呟く。話創りの
「
俺が鼻で笑うように吐き捨てると、文子が
「確かにその通りですが、一部には『文子Ver.3.00』ユーザー同士の意思を
「全然面白そうじゃねぇなぁ! つーか、俺がイエスと言うとでも思ってたのかぁ?」
「拒否されるとは思っていました。しかしながら、マスターにはこのゲームをやってもらわねばなりません」
どうしてと問いかける俺を遮るように文子は結論を言う。
「調査のためです。恐らくコレはMUST
最初に潜入してドンパチやったときに
「だけど、ノラねえ……」
「先輩を戻す手がかりがあるかもしれませんよ」
文子の殺し文句に俺はこのゲームをプレイすることになった。だって、そうだろう。
といっても、このゲームにいちサッカ側として潜り込んだ俺は、『話の断片』を収集したプレイヤーを優先的に襲って意識を刈り取っていく。ついでに人の持つ『魂=物語』も収集できて一石二鳥。たとえそれで現実世界でその人間共が
「だって、俺にとって先輩を取り戻すことが
「自分で
「お前が
「そうですね」
「……ったく、いくぞ」
ぽつりともらした俺の決意を茶化す文子とのやりとりも慣れたモノだ。最低の会話の応酬が張り詰めた心のいい
「不思議なもんだな」
「そうでしょうか? 私にとってはもう普通です」
「いってろ」
そっけなく放った自分の口元はほんの少し、緩んでいた。
「プレイヤー共はクズだ。瞬殺だな」
「それはどうかな」
いきり立つ俺達の前に立ちはだかった男はプレイヤーの
俺が先輩と話を書いてた時、暇があれば、ネット小説を巡回することが多かった。ネット小説を読む。これはもう中毒かと言わんばかりの勢いで。どんどん読み進める。渇きを癒すために水をがぶ飲みする如く。……そして、はたと気づく。作者がその作品に懸けた時間を更新日時という形で。二年……かなりの文章量だったが最初の更新が二年前、ソレを一気に読もうとしていた自分は……そこで、はたと読書の、ひいては読者という存在の
思い立ってみれば、高級食材を食べるときもそうだ。いくら生産者が手塩にかけて育てた牛とかでも食う者にかかれば
プレイヤーへの怒りが止まらない。だってこの男……
『そうじゃねえ! 読み手の
なんて言ってさっ。お前は
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