【第16話】お詫び文全文掲載! 文芸協定 『春夏秋冬』巻末にて(メイが『サッカ』に転生したワケ2)

『サッカ』出版の影響における、一家惨殺事件の発生。

         事件に対する当編集部の見解と執筆作家の意見。


 平素より弊社出版誌『春夏秋冬』をご愛読いただき、ありがとうございます。

 今回、弊社刊行の小説『サッカ』が読者に影響を与えたと思われる大変痛ましい事件が発生しました。

 創作物とはいえ、この作品が世間に与えた影響はあまりにも大きく、また無視出来ないものと考え、弊社は該当作品たる『サッカ』を無期限の出版停止とし、現在店頭に配本した刊行分につきましても自主回収することと致しました。

 今回の事件によって、被害を被ったご遺族の皆様、関係者の方々に深くお詫び申し上げます。

 当編集部は、この機会にメディア運営における、より良き出版物の在り方を精査、追求していく所存です。そして願わくば、弊社のこれからの出版の在り方を通じて、読者の皆様方との信頼関係をゼロから始め、より強固なものにしていきたいと考えております。

 これからも変わらぬ御愛顧、お引き立ての程よろしくお願い申し上げます。


               株式会社 文芸協定 『春夏秋冬』 編集部一同



 次ページでは、担当作家『明道めいどう』先生による、今回の事件に対してのコメントを掲載しております。先生も今回の事件に関しては、大変に心を痛め、自身の作家生命を掛けて償いたいおっしゃっていました。自分の伝え方、物語の作り方に不備が無かったかを大変に悔やみ、そして犯人にどうしても伝えたいことがあると、今回のコメントの掲載を編集部に懇願されました。

 先生から話を聞いた当初、正直我々は戸惑いました。こと不祥事の後に関しては出版界で校閲もなしに作家がコメントを掲載することなど前代未聞だったからです。ですが、先生のあまりにも熱い犯人に対する想いに心を動かされた我々は『あえてそのまま』でのコメント掲載に踏み切りました。先生の強い『意思』を我々も感じたからです。

 彼の覚悟と、ありのまま犯人に相対するその姿勢、熱い想いをわずかばかりでも感じ取っていただけたら幸いです。

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