【第13話】ルールを守るトコロに創造性は必要ない!(アンからメイへ『皮肉100パーセント』→アイデンティティー崩壊)


「こうしては……まあ、あの後警察に捕まって、結構服役して寿命・・きたりした後だけど、自分がさんざん恨んだ『』に、こうしてかかえられたと言うわけさ」


 僕は普段のハイテンションがなりを潜めたように暗い瞳で淡々と自分の生まれを語った。


「なんで、お前にだけ『記憶・・』があんだよっ! 私達は最初から神様に作られた存在じゃないのかよっ!」

 メイがつかみかかってくる。だがいつもと違う。メイが珍しく不安を抱えているようだ。


はなし簡単・・さ。『何が何でもモノガタリを創る』って感覚は、達観・・した存在であるには到底・・『造れない』ものだったからさ。だから人間・・から、つまりからコピったってわけ。『』でさえ、ゼロからじゃなーんも造れないってワケさっ!」


作家・・ってのはねえ、後悔・・欠落・・渇望・・モノガタリを書く。そんな感覚・・もキミにはないだろう? 答えは・・単。キミには『管理能力・・・・』のみが必要・・だったからだ。『ミツバチ』管理・・統率・・する。そして素材・・には手を加えないとかたくなに『が作ったルールを守る』機能・・。そんな物に『創造性・・・』は一切必要・・・・ないからね」

 僕は口調こそ丁寧・・だが精一杯・・・皮肉・・を込めてメイを『キミ』と呼んだ。メイにとってはこれ以上無い侮蔑ぶべつだろう。

 疑っていた自分の『アイデンティティ』をぐっちゃぐちゃにかき回されたのだから。

 ……えがたきをえ、しのびがたきをしのび、ともいかないメイはさけんでいた。


「分かっていたさっ! 私には『もない』って。でも時たまソレがたまらなくになる。不安・・になる。神様・・はなんでを『こういうふうに』作ったんだっ!」


「それは、そのキミの想いさえ、にとっては実験・・でしかない。いや、『退屈・・しのぎ』かな。らも神様・・の手の上で踊るヒ・マ・ツ・ブ・シの道具・・でしかないのさ」



 皮肉100パーセントの僕の言葉はメイの憤りを鮮やかに飾り立てていた。

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