【第12話】『作家』なんて気持ちの悪い生き物なんだよ!『駆除対象』なんだよっ!(アンが『サッカ』に転生したワケ)

――作家を目指した。アマチュアだけど作家・・を公言していた。そこでの反応は皆同じ。


『話書いてるんだ、すごいね』


 誰も僕を侮蔑ぶべつし、嘲笑ちょうしょうしたことがなかった。

 だからこそをイジメたやつを小説の登場人物・・・・にした。

 そして話の中で殺した。

 何度・・何度・・何度・・も殺した。

 自分のことが気持ち悪くなった。


 しつこく絡んでくる知り合いを取材対象・・・・として密かに小説の主人公にして憂さ晴らしした。

 小説を書き上げて投稿した後はその知り合いとの関係一切を断った。

 価値が無くなったから捨てた。

 その行為が人道・・しているように感じた。


 そのスベテが苦痛でたまらなかった。

 連想・・させるほどに。

 そんなとき、自分が作家・・を名乗った後、初めてあの言葉を聞いた。


「……気持ち悪い」


 歓喜・・で心身全てが震えた。

 自分の抱いてきた作家像・・・をよもや感じ取って言ってくれる人間がいるとは思えず、絶望・・していたからだ。


 だからはその言葉を言った女……自らのを犯した。


「ああ、気持ち悪いだろう。きもち悪いよなあ。そうなんだよ。作家・・なんて気持ちの悪い生き物なんだよ。駆除対象・・・・なんだよ」


 いままで抱いていた思いが発散・・されていく。


 気持ち悪い作家・・

 気持ち悪い自分・・

 消えてしまいたい。

 でもタダデハ消えたくない。

 せめて気持ち悪い自分を刻み続けよう。

 妹のナカに。

 ココロに。

 スベテに。


 それから俺は泣き叫ぶ妹を向こうのが許す限り絶望・・させ、自分の存在・・きざみつけていった。

 ……そして行為・・めた俺は、で部屋に寝転んでいた。

 もう動く気は無い。

 さらさらない。

 両親・・はすでに殺してある。

 徐々にぼやける視界の中で、俺はただただ『』を見据みすえていた。

 いや、にらみ付けていた。


 ……なあ、神様よ。

 見てるんだろう?

 見えてるんだろう? 

 そのすかしたヒトミで俺たちのことを見下してるんだろう?

 てめえらにとってオレタチはなんなんだ。

 ただのヒマツブシの道具・・か?

 俺達小説家・・・・・は自分の人生・・が『モノガタリつくため』だと、モノガタリに生かされている、モノガタリの為に生かされていると思うことがある。

 人生・・神様・・……アンタにささげるための『にえ』でしか無かったのかもな。



 ……ふざけるな、ちくしょうめ。



 暗転・・する人生・・最後・・、何かが『笑った』感覚・・をわずかに感じた。

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