【完結】文書(ぶんしょ)ロイド文子シリーズ原典 『サッカ』 ~飽話(ほうわ)の時代を生きる皆さんへ~ 俺は何が何でも作家になりたい! そう、たとえ人間を《ヤメテ》でもなぁ!!
【第7話】『たった一人』を不幸に貶めるための執筆(『ミツバチ』が『サッカ』に転生したワケ=『ミツバチ』の記憶1)
【第7話】『たった一人』を不幸に貶めるための執筆(『ミツバチ』が『サッカ』に転生したワケ=『ミツバチ』の記憶1)
――――どこだここは……自分確か、死んだんじゃ無かったっけ?
ん、コレは恐らくこの『ミツバチ』の
「クソつまんねーわあ!」
自分の創った小説を見せていた上司の
……自分の中で何かがはじけた。
『
相手をつぶさに
そしてネット上で俺はそれに最も『適した』ソフトを見つけた。
有限会社 MUST
『
※本製品は試作品の為、対象は一人に限定されます。また、
ソフトを
するとPCにメールが来た。
有限会社 MUST
本製品は非合法ソフトです。このソフトを使用した際の責任関係は全て
利用 する・しない
「利用するっと」
メールの返信フォームに入力を済ませると、ソフトが起動する。
監視対象の電話番号またはメールアドレス入力を求められ入力。
最近、ネット小説はスマートフォンで見られている。
このソフトは一種のウイルスを対象者のスマートフォンに感染させ、カメラ機能を乗っ取る。自分撮影機能と連動し、リアルタイムで監視対象が小説のどの部分を読んでいるかをエディター上に表示させる機能を有していた。ちなみにアイトラッキング機能(目の動きをカメラが読み込み、ページ移動等を行える機能)が搭載されたスマートフォン限定だが、ヤツは新しもの好きなので持っていた。
と、添付されていた詳細なソフトの仕様書を
また、表情を読む技術は、最近ドラマと本で
面白いように、物語を読む最中のちょっとした仕草からでもヤツの
自分の小説に
「ひひひ、お前の思ってることは筒抜けだ」
思わず言葉が出るほどに、自分はヤツの
こんな楽しいことがあろうか?
空腹も何も気にならない。
ただただ
昔読んだマンガでこんなシーンがあった。
古代中国、
親夫婦は虚ろな目をしてお
娘は最後まで
そして料理人の主人公はその光景を目の当たりにしてブチ切れる。
「料理はそんなことの為にあるんじゃ無い。人を幸せにするためにあるんだ」
と。……だが、自分はあえてそこを『
いいじゃないか!
最高だよ!
これこそが自分が求めるイメージそのものだ!
ただ一人の人間を不幸のどん底に落とし続けるために俺は物語を
……あとは耐久力勝負だ。
『もう、あなたの話なしではいられません。仕事もやめました。ずっと家に引きこもってます。はやく続きを下さい。はやく……続きを……』
届いた感想を
『あっはああああーーーー!』
ヤツの
「こちらとあちら、どちらが先に果てるか見物だな」
俺はキーボードを高速でタイピングしながらほくそ笑む。もはや表情を読む必要さえ無い。
ヤツはもう、自分の話なしでは鼓動さえ出来ない。
自分だって
途切れさせはしない。
ヤツが物語の世界から
そしてヤツはほんとうに部屋から出なくなって、ひたすら自分が創った話を待ち焦がれるだけの
そしてついにヤツは自分の話を読み続ける途中で命を終えた。
死因は恐らく脱水症状。
そして気がつけば自分も死んでいた。だってそうだろ。ヤツの読書スピードに合わせよと思ったら、こちらも
でも、不思議と心地いい。奇妙な達成感さえある。
そして自分はブンシュの海に
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