【完結】文書(ぶんしょ)ロイド文子シリーズ原典 『サッカ』 ~飽話(ほうわ)の時代を生きる皆さんへ~ 俺は何が何でも作家になりたい! そう、たとえ人間を《ヤメテ》でもなぁ!!
【第10話】飽話(ほうわ)の時代(作家は読者に貪り食われて欠片も残らないという恐怖)
【第10話】飽話(ほうわ)の時代(作家は読者に貪り食われて欠片も残らないという恐怖)
そしてとつとつと語り始める先輩。
「私は作品が
……ああ、
自分の
それが小説を書く作業だと私は考える。
そしてその
先輩はいままで数作書き上げ、いくつかの小説賞に投稿している。
結果は惨敗。
一次予選も通らなかったみたいだ。
そして
先輩に
「そうだ。
ブチブチとちぎれる
そして
「これが
「これが最近、
スゴイ
「
だって、そうだろう! 自分を
……そしてその『
……このおぞましさ、耐えられない。だろう?」
全てを超えて、もはや先輩は
「一般の生産者は耐えられるのだろうか? 自分が手塩にかけて育てた
先輩の
「なあ、
そして先輩は何もかも
「なあ、ピョンちゃん、一緒に死んじゃおっか?」
その一言が、先輩が全てに疲れ果てたことの証明だった。
「しっかりして下さいよ!」
俺の
「最近さあ、夢の中で会う着物を着た女が言うのよ。『だったらわっちが喰ってさしあげるでありんす』と。でも私はそういった
だってそうでしょう、だって
それだったら、まだ何も考えず
なのに着物の女は
「『おかしいでありんす。なら何故、ここまで
私は言ってやったわ。「
そうしたら、女は『
『でも、わっちは
そして、
そして絶望したわ。だって祖父は……おじい様はその子供の時に失った
俺は
そしてその想いごと
「どう? 信じられる?」
「信じられるかどうかじゃねえ! 先輩は俺とはまた違った
ふっ、気が変わった! とばかりに先輩は笑うと。
「でも、やっぱ
そういえば。
昔、化学の得意な友達に聞いた話だけど、『全ては
そう感じたときだ。
『じゅるり』
と心の奥で
ソレを合図にしたかのように荒くなる
ハア、ハア。
「大丈夫かい?」
様子のおかしくなった俺を心配して手を差し伸べる先輩。こういう時は、ほんっと優しいんだよなあ、こんちくしょー! 俺はかろうじて言葉を返す。
「作家は、本当、話をエサみたいに食べる。そして
「そうだな……
「俺達って似てますね」
「そうだな、なら一緒になるか」
『いけません。その女の
だらだらと
荒い呼吸は止まらない。いやもう呼吸というより空気越しに
俺の
そして
それを
そしてあの
開いた。
闇の中で口のように巨大な『
この先どうなるかはイヤでも分かる。
でも止められない。
絶望。
そして。
『バクン』と。
俺は先輩の
言葉通り、
だが、そんなことはまずないのだ。
これが『
もはや
俺はその日、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます