【完結】文書(ぶんしょ)ロイド文子シリーズ原典 『サッカ』 ~飽話(ほうわ)の時代を生きる皆さんへ~ 俺は何が何でも作家になりたい! そう、たとえ人間を《ヤメテ》でもなぁ!!
【第8話】先輩との衝突(正論を言われたときほど腹の立つことってないだろう?)
【第8話】先輩との衝突(正論を言われたときほど腹の立つことってないだろう?)
「ピョンちゃんはいままでより覇気がなくなった」
「以前は
的確に痛いところを突いてくる。なかなかの
「まあ、簡単に執筆できるツールを手に入れましたからねぇ」
売り言葉に買い言葉的なノリで言葉を突っ返した俺は、文子を起動、デモンストレーションを開始する。
『よおこそ。『
ヘッドギアを装着。
文子を起動し部室にあるパソコンに繋ぐ。
そういえばいつもブンシュの
この力を見れば、先輩もきっと俺のことを見直すはず。
「……くふふ」
「いったい、何をするつもりなんだ?」
思わず含み笑みが漏れる。対して、
『それでは作業を開始します』
「よし、妄想力、☆全☆開☆!」
文子の宣言を合図に、俺はブンシュの
「……病院に行こう」
作業終了後、先輩は俺を見直すどころか、肩を掴んで、
現実世界では俺は白目を剥いて
どう考えてもまともな姿では無い。
「パソコン上にはキーボードにも触れていないのに高速で
そう先輩が思うのも無理もない。
MUST
……やはり今の俺はもう
……先輩はそんな俺を心配したのか、しばらく
「このソフト。
一瞬、何を言われたか理解できなかったが、すぐさま「
だってそうだろっ!
今の俺には文子しか無い。
すがるべきモノはもう文子しかないのに。
先輩は文子を使うなと言う。
もうこれは作家としての俺へ対する
今まで以上に激しく反発する俺。それゆえだろうか? 先輩の強い物言いに対しておもわずこちらも強く言い返してしまった。
「先輩は何作か創った長編、小説賞に送ってますよねっ! 結果どうだったんですかっ!」
「いずれも一次予選落選さ……最近作家の
先輩は乾いた笑みを貼り付けて語る。
「でも、ピョンちゃん。私達は書いて書いて書き続けてあがき続けるしか無い。それしか出来ない。他はする必要も無い」
「でも、俺は嫌なんですよっ! 作品を創るためなら何の力だって借りてやりますっ! 例えそれが
「それで賞を取ってうれしいか? 作家とは、いや、物語を
「ズルがなんです! 最後に素晴らしい
「だめだ、それは。
「例の兄弟の話ですよね。先輩は自分と向き合う為、あえて山を下りなかった兄を
「だが、
何度も同じように
「
俺は勢いにまかせて、絶対に言ってはならない
だが、時すでに遅し。
先輩は
世界全てに裏切られたと
その姿を
振り返ることは無かった。
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