第二項 本当にエピローグ

 ねえっ!

 聞いて聞いて?!


 理亞ちゃんね。


 別れてたの!


 彼氏と。

 別れてたの!


 びっくり。

 くりびつてんぎょうだよ!

 びっくり仰天だよ!


 あのね。

 理亞ちゃんが、委員長に告白して振られた帰り道、聞いてみたの。そしたら理亞ちゃんたら、頭をポリポリ掻きながら照れくさそうに。


 ――めんどいから別れた。


 って。

 めんどいって。


 言い方!


 それに行動もおかしいし。

 照れながら言うことじゃないでしょ。むしろ落ち込みながら言うことでしょ。照れる要素なんて何もないよ。まったくもう。


 ……


 あ。

 ごめんなさい。


 ちょっと余りにも衝撃的な事実だったから、思わず興奮して皆に伝えたくって、一気にまくしたてちゃった。


 ごめんね。えへへ。


 ふう、あぶないあぶない。

 またこれでエピローグ崩壊案件で、エピローグ第三項なんてことになるところだった。


 流石にそれは無い。

 エピローグも、このお話でおしまいです。


 まあ、あれだよ。

 あれですよ。


 理亞ちゃんの何とかって話は、ってことで、何卒ご容赦くださいませ。


 ――こほん。

 ――もとい。


 改めて、リア充爆ぜろ委員会、最終話。

 始まります。


 ――時が流れ。

 ――私と理亞ちゃんは慶蘭けいらん女子高等学校二年生になった。

 ――そして、新入生が訪れる。



「ほら、早く早く!」

「待ってよー。そんなに慌てなくても、ゆっくり回ろうよー。」


「だってさ。何か刺激的な部活が見つかりそうな予感がするんだよね。」

「刺激的な部活って。学校の部活なんだから、刺激的とかある訳無いでしょ。」


「いいから、いいから。」

「って、ちょっと! 何か怪しいところに入ってきちゃったよ。何か薄暗くて先が見えないよ?」


「これこれっ! こう言うヤツ! 何かワクワクする!」

「いやいやいや。普通に怖いってば、戻ろうよー。」


「やや?! なんだここ? リア充ぜろ委員会……? やばっ。ここ面白そうじゃない?!」

「リア充爆ぜろ委員会? 何それ?! いやいやいや、爆ぜろとか、絶対ヤバいよヤバいヤツだよ。怖いよ。やめとこうよ。」


「名前からして、ぶっ飛んでるよね。説明だけでも聞いていこうよ。」

「うう……イヤだなあ。」


「大丈夫だよー。いくら何でも殺されるわけじゃないんだから。」

「そりゃそーだけどさー。」


 ――コンコン


「こんにちはー!」


 ――コンコン

 ――コンコン


「うーん……誰も出てこないな。すみませーん!」

「まだ誰も来てないみたいだね。さ、帰ろう!」


 ――カチャ


「あ、何かあいてるよ?」

「ちょっとー。勝手に入っちゃマズいよー!」


「いーからいーから。すみませーん! 誰かいませんかー?」

「怒られるからやめようよー。帰ろうよー。」


 「あ! 部室の奥に掛けられてる額縁に何か書いてある。なになに?


 =====

  リア充爆ぜろ委員会五箇条

 

  第一条.男女恋愛禁止

  第二条.男と話すことも禁止

  第三条.むしろ男とは2m以上離れろ

  第四条.カップルを見たら敵と思え

  第五条.カップルを見たら、どんな手を使ってでも別れさせろ

 =====


 ……うわー。すご。」


「これって私たちが来ちゃダメなところじゃない? だって私たち彼氏いるし……」


 ――彼氏……だと?

 ――誰だ?!

 ――彼氏と言ったヤツわああああああっ!


「ぎゃっ!」

「え、この委員会の人ですか? 勝手に入っちゃってごめんなさい!」


「そんなの構わないよー。誰でも大歓迎さ。僕は副委員長の風祭理亞っ!」


「副委員長?!」


「へへっ。副委員長ってあんまり責任なくて、おいしいポジションだよね。」


「そ、そう……です、か。」


「わいが、何も肩書きの無い委員の速水撫子やっ!」


「え、何の肩書も無い……?」

「せや。あえて言うなら、委員長のファン……やな。」


「……え? 委員長って、あの背の高くて髪の長い素敵な方ですか?」


「……ん? 私はリア充爆ぜろ委員会名誉顧問、そして、生徒会長の枯石零だ。」

「私は名誉顧問夫人、そして、生徒会副会長の鬼龍院百々花、ですわ。」


「名誉顧問に名誉顧問夫人っ?!」

「生徒会長に、副会長?!」


「って、百合?!!」


「そうだが、何か問題あるか?」


「え、いや、問題……ありません。」


「ちなみに委員長は、私の隣に居るコイツだ。」


「……隣?」



「うう……何故か私がリア充爆ぜろ委員会の委員長、西園寺由宇……です。」


「え、委員長?!」


「そう、何故か私が委員長なんですよ。君たちは入会希望かな?」


「え、ええっ?! 違いま……」

「はいっ!! 入会希望です!!」

「ちょ、ちょっと待っ……」


「そうなの?! 入会希望、大歓迎だよっ! リア充爆ぜろ委員会にようこそ!」


「やったー! 待ってたよ後輩ちゃん! リア充爆ぜろ委員会にようこそ!」

「待ってたで! リア充爆ぜろ委員会にようこそやで!」

「リア充爆ぜろ委員会によく来たな。早速仕事をしてもらわないとな。」

「リア充爆ぜろ委員会にようこそですわっ!」


 ――


 ふふっ。

 新入生ちゃんたちを驚かせちゃったかな。

 

 と言う訳で、この物語、リア充爆ぜろ委員会は、一先ずおしまい。

 

 私、不本意なことに前委員長の予告通り委員長にのです。


 いつかまた、このお話をすることがあるかもしれないね。


 前途多難なリア充爆ぜろ委員会なのでした。


 じゃあ、また逢う日まで。

 またねっ!


 ――完――


<おまけ>

 どもども~西園寺由宇です!


 これから、作者がリア充爆ぜろ委員会について、あと書きとして生意気にも話したいそうなので、もう少しだけお付き合いくださいね。


 と、言うことで私達の出番は本当にこれでおしまいです。


 おしまいと思うと寂しいね。

 けれど、きっとまたすぐに会えるって信じてるから、私たちのこと忘れないでね。


 では、長いお話にお付き合いくださった読者様、本当にありがとうございました!


 ばいばい!


西園寺由宇。

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