セー○ームーンとローマ神話と中二病

「それよりさ、もっとマンガやアニメみたいな話はないの?」

 そう来ましたか奥原さん。ならこれも最初から全開でいきますか。


「ありますよ」

「ホントに!?」

 リクエストした本人が驚きすぎじゃないですかね……


「はい。いいですか……?」

 少し溜めて注意を集める。


「元素の中で最も」

 中二的に

「名高い、神話級の三元素!」

 眠らせていた中二心を解放し、


「ローマ神話における天空神ウラヌスの名を冠するウラン! 大海神ネプチューンの名を冠するネプツニウム! そして最後は、冥界神プルートの名を冠するプルトニウム! しかも冥王プルトニウムの原子番号は94、苦死! 更にその」

 同位体、すーぐ核分裂する死にたがりの

「質量数は240不死王!、240にひゃくよんじゅうというハマりっぷりです」


 ……あれ、何の反応もない……何か不味ったかな……?


「いくら面白くしたくても、嘘はいけないんじゃないかな……」

「流石に怒っちゃった、みたいな……?」

 黒森さんと奥原さんとが風船をつつくように聞いてくる。


「違いますよ、本当の話ですからね」

 すぐさま疑惑を否定して、


「化学の教科書を持ってれば、裏表紙とかを見て下さい。周期表があるはずで、原子番号92番ウランから94番プルトニウムになってますから」

 謂われのない、こともないかもしれない身の潔白を訴える……まぁ、僕も最初にこれを見つけた時は、はしゃぐ中二心で半笑いになったけれども。


 半信半疑で本を確かめる黒森さん。


「ホントだ!? これホントに神の名前から取ってるの?」

「そうですよ。男は死ぬまで中二病、偉い学者先生だってそうなんです」

 多分、恐らく、きっと……


「セー○ームーンを知ってますか?」

「? 一応知ってはいるけど……?」

「では、天王星、海王星、冥王星がセーラー何だったか思い出して下さい。ローマ神話の神の名がつけられているのが分かるでしょう?」

 これなら女子にも通じる筈。


「それ、ホントに?」

「本当です。セー○ームーンでもあの三人がセットみたいな感じがするでしょう? だから、元素だってこの三つが並んでいるんです」

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