エピローグ
「・・・この一撃に、全てをかける!!!」
「騎士団長」の渾身の一振りは、自分でもいざ知らず魔力を帯びた一撃となった。だが、これだけでは倒すに至らない。
・・・と思った次の瞬間、
「グギヤァァアアアアーーーー!!!!」
突如、魔物が断末魔の叫びをあげ、倒れ、
・・・やがて、消滅した・・・
「・・・倒せた、のか?」
「騎士団長!ご無事ですか!?」
そこに「見届け役」として同行していた「少年兵」たちが駆け寄る。
「ああ、・・・俺は無事だ。」
「それは何よりです!・・・ですが、他の皆様は・・・」
改めて周囲を見やる。
そこには、自分を慕って同行してくれた仲間たちが、全員魔物に殺されてしまっていた・・・
「・・・すまないが、皆を弔うのに協力してもらえないか。」
「!いえ、我々がやります!」
「・・・ありがたいが、俺がやりたいんだ。遺族などへの報告も俺がやる。やらせてくれ。」
「・・・わかりました。謹んでご協力させて頂きます。」
「頼む。」
こうして、「辺境の魔物」討伐任務は、終わりを告げた。
件の魔物はかろうじて倒せたものの、騎士団長以外の精鋭たちの訃報に、国王は胸を痛めた。
騎士団長は、一緒に戦ってくれた5人の遺族あるいは仲間たちに遺品や、彼らの最期を伝えていった。
・・・その間にも、騎士団長には、懸念というか、誰にも告げていない謎が一つあった。
(「あの時」、魔物には手傷は負わせたかもしれないが、倒せた感覚はなかった・・・あれは、なんだったのだろう?)
― それから数年 ―
彼の「息子」は騎士として昇進を果たし、「娘」もまた名うての魔法使いとして名を馳せる。
・・・そして、一人の「少年」が騎士を目指し、王都の門を叩く。
― これはただ、歴史を変えるただ「一撃」に至るまでの、知られざる物語 ―
これは、ただ「一撃」にいたる物語 Syu.n. @bunb3
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