第23話 『クルーたち』 その1
巨大移住船を、地球人のために提供しようと言い出したのは、パガテル星人と、ヴィブラート星人である。
しかし、直ぐに、しかも、長期に渡って使える、適当な宇宙船がない。
また、地球人が使用できるように、いろいろと施設の改造や、新設が必要だったが、地球人には、財力も尽きている。
実は、地球の資源が欲しい、銀河連盟加盟星もあった。
しかし、単独に、乱開発されては、連盟の統制が取れなくなりかねない。
争い事も、ないとは言えない。
オスティナート星人派は、当初、地球の清浄化を求めていた。
それは、地球人類の、何らかの形で、銀河系からの完全な排除を意味していた。
早く言えば、地球の更地化である。
まあ、さまざまな、利害関係や、力関係もあり、最終的には、ピチカート星人が提案した、地球人に試験を課すことには、同意したが。
つまり、ピチカート星人が、穏健派のパガテル星人やヴィブラート星人と、反対派のオスティナート星人と、その、それぞれ同盟グループの仲をとりもつ形で、移住船を提供し、改修費や、運行費用などは、当面、連盟が負担することになった。
地球人は、生き残りを掛けて、自分達の存在意義を、銀河連盟に示さなければならない。
そのための人選や、さらに、参加者たちの新首都までの移動費用、さらに、食費、生活費、運賃などは、最終的には、新しい地球政府が、銀河連盟銀行から資金を借りて、分割払いすることになったのである。
移住船アーニーβの船長は、ピチカート星人の、トレモロ船長である。
銀河連盟宇宙船規約に基づく、非軍人最高ランクの船長である。
副長は、二人である。
オスティナート星人の、元々軍人出身である、アポジアトゥーラ副長。
さらに、銀河連盟中央事務局所属の、女性型アンドロイドである、アウフタクト副長である。
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