04_なぜサンタクロースからのプレゼントは物なのか
寂しいとかそういう気持ちは無かったです。実のところ、自分は別にプレゼントが欲しいわけでは有りませんでしたから。と言うのは、欲しい物が有った場合は親に言えばすぐに何でも買ってもらえたんです。小学生のときは電子ブロックとか天体望遠鏡とか、高価なものを買ってもらって友達からも羨ましがられました。
それはずっと続いて高校生になっても音楽プレイヤーとかデジタルカメラとかを、買ってもらったり親のお下がりをもらったりしていました。
今も、自分は独身ですし、必要なものとか、それからただ欲しいと思ったものも、誰に遠慮する事もなく買っています。でも、欲しい物が手に入る環境で育つと、物ってかえって欲しく無いんですよね。満たされているので逆に変な欲求も高まらないし、物がどんなものかも知っているから下らない物に憧れたりもしません。所詮物は物です。
ただ、不思議なのは、どうしてサンタクロースは子供に対して物を上げるのかということなんですよ。しかも、飢えている子供に食べ物とか、貧乏な子供の家にお金とかじゃないんですよ。ただのおもちゃで、それも大抵は裕福な家庭の家の子供に配られます。まあ、大抵は親が子供に買い与えていますから、それらひっくるめて全体を見てしまうとそういう印象を受けるという事も有ると思います。
ええ、ええそうです、親が自分の子供に対してプレゼントを買い与えていると考えると大方の説明は付きます。実際それは本当にそういうケースがほとんどだと思います。
ただね。こう言っておいて何なのですが、世の中には人間がいくら考えても解らない事って有ると思うんですよ。人がする行為に紛れて、サンタクロースがする行為もあるのではないか、と思うんです。
不思議といえば、人の体の作りだって随分不思議ですよね?
多くの人は自分がなぜこの世に生きているのか、不思議に思いません。自分には何故人はそれを不思議に思わないのか、全く理解できません。だって、DNAの中には人の構造が設計図として入っている訳ですよ。そしてその中の必要な部分が必要に応じて紐解かれ、タンパク質が作られるわけです。細胞一つの中に、機能が分かれた部品、というかそれ自体がもう生き物みたいなのがウジャウジャいて、それで生命が維持されているんです。こんな小さな細胞の中で。こういう事実は、知れば知るほど不思議だと感じます。
それでですね、ちょっと自分の考えを述べてもいいですか? それらは物なんですよ、全部。人も究極的には原子分子電子が作り出すモノなのです。しかし、モノであるはずの人はこんなにも豊かな世界を内包し、こんなにも不思議で満ちている。
これはつまり、まあちょっと飛躍するのは認めますが、多くの人が「自然」とか「当たり前の必然」とか、そのように思っているものの中に、どこか超自然とか必然ではない意思の働きみたいなものが作用いているという事だと思います。
その働きの実態はなんなのですかね。私もわからないのですが、まあ当然です。人にはわからない話だと思います。
自然と不自然、必然と自由意志、これはら、傍から見るとどっちがどっちだか分からない現象です。大体、人は無意識に決定し行動するその行動原理を自分で知ることは有りません。とすると、その無意識が全て自分のもの、自分の体の中からだけで湧き上がってくるものかどうかって、分かりませんよね? 創発はなぜ起きるのか。この我々の世界からだけ考えているのなら、永久に謎のはずです。
なので、これは多分、あちらの世界の境界が何らかの形でこちらの世界に繋がっているのではないか、と、漠然とですが考えています。異世界と接するメンブレーンのようなものを原子一つ一つが構造として内包していて、その構造を通して世の中のすべてのものがこちらの世界とあちらの世界、世界間で通信をし、お互い影響しあっている。と考えてはどうか、と思っているんです。
そして、これは本当に漠然と、何の根拠もなく個人的に考えているのですが、そのメンブレーンを介してあちらとこちらの情報交換をするのには何らかの規則や法則があり、人が一般的に宗教について考えるほどには自由が無いのではないかと思っています。
なので、こちらは人が思っている頭の中の思念でもサンタクロースに届き、しかし向こうからこちらに向けて届くのは物、それも、なぜか分かりませんが子供のおもちゃや絵本だけなのではないか、という風に考えています。
おもちゃは、あちらの世界のサンタクロースからこの世界にいる子供への、何らかの思惑が込められた情報なのではないか。と、そういう風に考えているんです。
とは言えこれはまだ考えている途中の理論で、もっといろいろな本を読んで証拠を集めて、検証してゆかなければなりません。
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