第29話バショア洞窟

作業場に着いた五人、作業場は石造の倉庫の様な物と倉庫の前に、屋根も壁も無い柵だけの作業場が広がっている 


女性職員「こんにちは、解体ですか?」見た目普通の女性職員が声をかけてくる 


ウォルデ「結構あるんだけど、ここの三人で分けてやって欲しいんだ」


女性職員「分かりました、では順番にギルドカードと解体素材見せていただけますか?」


ウォルデ「じゃあおれから」ウォルデがギルドカードと持っていたモモハナトカゲ、ドテラオオウシ、ゲンナの素材が入った大きな袋を渡す 


女性職員「これですね…」紙に記載していく 


女性職員「ありがとうございます、では次の方」


スレイ「これを」ギルドカードとシュイロアルキウオ、カンデンバト、ソネデアの素材が入った大きな袋を渡す 


女性職員「えーっと…」紙に記載していく 


女性職員「はい!では次で最後ですね」


ミトア「アグニさん背負っている素材をここにそーっと置いて下さい」


アグニ「やるよ」背負っていたとても大きな包みをミトアに放り投げる


ミトア「いらないですー!」ミトアが間一髪避ける


アグニ「取れよ」


ミトア「殺されるかと思った…」ウォルデとスレイが二人のやりとりに戸惑っている


女性職員「だ、大丈夫ですか?!」


ミトア「ギリギリ大丈夫です…」


女性職員「ギルドカード見せていただけますか?」


ミトア「あ、はい」ギルドカードを見せる


スレイ「アグニはギルドカード持ってないの?」


アグニ「なんだそれ」


ボロ「こういった場所で自身の身分を証明する物だな」


アグニ「いらねえ」


ボロ「…いや待て…必要だな」


アグニ「なんでだよ」


ボロ「儂らが獲ってきた物をここに売れば金が入るその金で店で飯が食い放題だ!」


アグニ「マジかー!いるな!」アグニらを他所に買取の手続きを行なっていたミトア 


女性職員「こ、これは〜…」包みにはアンバラネス、ドゥムートマシラ、アカツチワニ、オオシオナガシ、ゴンバギアの素材が詰まっており、見た目普通な怪力の女性職員が見ていく


女性職員「うーん…私一人では手に余る上、この村にはこれだけの素材を取引する、資金がないのでアンバラネスだけ処理させて頂いてもいいですか?」


ミトア「あ!はい、全然大丈夫です」


女性職員「わかりましたでは半日お時間いただけますか?」


ミトア「わかりました、お願いします」


ボロ「ミトアよ、儂らもギルドカードとやらを作るぞ」


ミトア「どうしたんですか急に?」


ボロ「獲ってきた物をこの様な所に売り、店で美味な物を食うのだ!」


アグニ「ウマい食い物食い放題ー!」


ミトア「確かにそれは名案ですね!」


ボロ「そうであろう!」


ミトア「ただアグニさんは作れると思いますけどボロさんは…」


ボロ「一つ有れば良い」


ミトア「じゃあさっそく作りましょう!」


ミトア(フッフッフこれで私が今後料理作らなくて済みますね…)


ミトア「私達はギルドカードつくってきますがウォルデさんとスレイさんはどうされますか?」


スレイ「僕も行くよ古代の魔人がギルドカードを作る歴史的瞬間を見てみたい」


ウォルデ「俺も暇だし行くよ」アンバラネスの素材以外をアグニが背負って、ヴォルデとスレイの案内でギルドへ向かう 


ミトア「結構小さいんですね」小屋の様な物に窓口が空いており中年女性が一人いるだけ 


ウォルデ「おーすネレアさん」


ネレア「あら、ウォルデ依頼で来てるの?」


ウォルデ「いや依頼の帰り道だ、ギルドカード作りたいそうなんだけど」


ネレア「あーそうなのー、今ギルドカードの申請書切らしててね、ドスカの街に発注してたんだけど強力な魔物が出たとかで届かないのよー」


ウォルデ「あちゃー、じゃあ仕方ねえな」


ボロ「仕方がない次で作るとしよう」


アグニ「ウマいものは?!」


ボロ「ミトアがおるであろう」


アグニ「ああ、そうか」


スレイ「アグニは天然?」


ボロ「いや、バカだ」


アグニ「なんだ!枝ー!」


ボロ「なんだとバカの分際でー!」喧嘩をする二人


ミトア「やめて下さい!こんな所で!」


ネレア「あ、そうだわ、ウォルデなら任せられそうね」


ヴォルデ「どうしたんだ?」


ネレア「この近くのバショア洞窟あるでしょ」


ウォルデ「あー…あのやたら長い洞窟か…」


ネレア「その洞窟を出入りしてる人影があるらしくて、その調査の依頼を提示してはいるんだけど実力がある人じゃないと、あの洞窟危険じゃない?良かったら、この依頼受けてくれないかしら」


ウォルデ「うーん…ミトアとスレイは急ぐのか?」


ミトア「いえ特に」


スレイ「僕も大丈夫だよ」


ウォルデ「じゃあ俺らで調査してくるわ、フッ実力のある俺がな…」


ネレア「本当?!助かるわ〜お願いね」


ウォルデ「任せとけって実力者の俺にな」


スレイ「じゃあ皆と合流した方が良さそうだね」


ミトア「そうですね」


他の三人と合流しスレイの竜車でバショア洞窟に向かう 


スレイ「ここがバショア洞窟か…」


ディア「来るのはずいぶん久々だね」


リサリー「結構暗いですね…」中を松明で照らしながら進んでいく 


ミトア「こここ怖い所ですねぇ〜…ヒイッ!」何かに驚くミトア 


リサリー「キャアッ!ななななんですか!」


ミトア「ただの蜘蛛の巣でした…」


ウォルデ「脅かすなよ…」


スレイ「確かに洞窟を進んだ所に幾つか人影があるね…にしてもこの洞窟奥が見えないくらい…限りなく続いてるけど…」


ディア「ああ、この洞窟はまだ調査出来ていない部分が多いんだ」


ガットア「奥まで調査するのは難しい」一行が人影があると言う場所まで進んでくる


スレイ「手前の部屋に四人、奥に二人いるね」


ウォルデ「ディア聞き取れるか?」


ディア「…ギリギリな…」


スレイ「皆!魔物だ!」洞窟に生息する猿、五匹のドウクツエテが八人に襲いかかる 


ドウクツエテ「ウキァー!」


謎の集団「なんだ!」四人の男が出てくる


ウォルデ「くっそ邪魔しやがって猿ども!」ドウクツエテをすぐさま討伐する 


謎の集団「何しに来た」八人に男が問う 


ウォルデ「お前らこそ何してんだ、こんな所で?」


ディア「オンダラがどうとか言ってたな」


リサリー「オンダラ神ですか…?」


謎の集団「こいつらを全員殺せ」話を聞かれた謎の四人組が八人に向かってくる 


スレイとリサリーが連携し応戦する

ヴォルデ、ディア、ガットアが一人ずつ相手をする

ミトアはオロオロしアグニは暇そうにしている 


謎の集団「ぐあっ!」


謎の集団「こいつらかなり強いぞ…!」


謎の集団「くそぉ…!」


ウォルデ「そうだよな…!俺ら強いよな!」ここ最近自信喪失気味だったヴォルデがその言葉に歓喜にする 


ディア「ヴォルデうるさいよ」


スレイ「分からなくも無いけどね…」


謎の集団「ノステア様とハード様を呼べ!」


謎の集団「残念だったなお前ら」


謎の集団「幸運にも今日は偶然、十盾がおられるんだよ」


ウォルデ「ジュッキ?誰が来た所でなんだよ!」


ノステア「騒がしいわね何事?」


ハード「早く仕事を進めろ!」以前遭遇したハード・バルカンと共に赤い髪の四枚の鳥の様な羽と紫の触角が生え、体の色が全体的に紫で赤くうねった縞模様の様な色が入った体色をしておりよく見ると短い極細の体毛で覆われている、蛾人間とも言える様な女が出てくる 


謎の集団「ノステア様!ハード様!」


謎の集団「申し訳ありません!邪魔が入りまして!こいつらを始末していただけませんでしょうか!」


ハード「こんな奴ら程度蹴散らせないなら死ね!」


リサリー「ハード・バルカン!何故こんな所に!」


ディア「こんな指名手配犯がなぜ…!」戸惑う五人 


ノステア「私達の仕事はこの洞窟にいるカイジンボウフラの捕獲の筈だけど?」


謎の集団「も、申し訳ありません!」


ノステア「しょうがないから手伝ってあげるわ、傷の手当てでもして来なさい」


謎の集団「いつも優しいノステア様には感謝しております!」


ノステア「あなたふざけてると助けないわよ…」


謎の集団「ふざけてるわけでは〜!」そう言いながら走っていく


ハード「ん?な!貴様らは!」


ミトア「あー!アグニさん!ボロさん!この前の方ですよ!」


スレイ「三人は会った事が…?」


アグニ「知らねえよ」


ボロ「会った事もない」ミトア「ほらあのインテアの港町で会った、えーっと…ハチガツケッサンさんですよ!」


ハード「ハードバルカンだ!誰がハチガツケッサンだ!」


ハード「ノステア!こいつらだ!インテアでの回収作業を邪魔してきたのは!」


ノステア「あなたがあっさり負けたって言う?」


ハード「紙一重だ!あの赤い魔人は三剣にも匹敵する化け物だ!」


ノステア「あんな奴らに対抗出来る奴がそうホイホイいるとも思えないけど…あなた達に恨みは無いけど仕事なの…ごめんなさい消えてもらうわ」ノステアの体色の縞模様が赤から赤黒く変わり毒の鱗粉をばら撒く 


リサリー「おまかせ下さい!」リサリーが風を起こし鱗粉を押し返す


ハード「ぬおっ?!」ハードが咄嗟に地面を右手で叩き自身を土の壁で囲い返って来た鱗粉を防ぐ


ノステア「やるじゃない」鱗粉を撒くのやめ八人に向かってくる 


ディア「はっ!」ディアが手甲で殴り勢いよく攻撃するも強靭な羽に防がれる


ガットア「フンッ!」ガットアが岩石を纏いノステアを力で抑え込もうとする 


ディア「なっ!」ガットア「ガッ!」ノステアが羽を勢いよく開き、羽に二人が吹き飛ばされ壁に激突する 

ウォルデ「俺が相手だ!」


スレイ「リサリー!」


リサリー「はい!」ウォルデが青い線を剣の切先から飛ばしながらノステアに近づく、スレイが矢をリサリーが高速回転させ飛ばす


ノステア「くだらない」青い線と矢を羽で薙ぎ払う 


ウォルデ「はぁ!」羽が開いた瞬間を狙って胴体に斬りかかるウォルデ 


ノステア「あら終わり?」硬い右腕で防がれる 


ウォルデ「硬っ!」


スレイ「ウォルデ離れて!」スレイがノステアに向かって矢を放とうとしリサリーが矢に風を纏わせ様とする 


ノステア「効きもしないに」スレイ「な!何これ?!」リサリー「キャ…!」ノステアがスレイとリサリーに糸の玉を左手で飛ばし拘束する 

ウォルデ「…っかはっ!」ウォルデが硬い腕で殴られ吹き飛ぶ 


ミトア「ア!アグボロさん!」


アグニ「あんだよ」


ミトア「助けて下さい!」


ボロ「人の生き死ににイチイチ介入していては切りがないだろう」


ミトア「お!お願いします!」


ハード「ノステア、その赤い魔人を二人で始末するぞ」囲った壁から出てきていたハードが言う


ミトア「み、皆さん!今のうちに避難を!」


ハード「なっ?!逃げられる!」槌の様な右手を構える


ノステア「手負いなんだから、ほっといて大丈夫でしょ、それより問題はこっちでしょ」


ハード「うーん…それもそうだな…」二人の意識がアグニとボロに移り、手を貸し助け合いながら脱出を図る 


ノステア「相手するのどちらかで良くないかしら」


ハード「油断するな」


アグニ「お前らみたいな雑魚と遊んでも楽しくねえよ」


ボロ「羽虫の分際で儂らに挑もうと言うのか?」


ノステア「羽虫…?殺す…!」穏やかだったノステアの形相が一気に険しくなり体色の赤い縞模様の部分が禍々しい黒に変色する 


ミトア「な、なんとか出られましたね、もっと離れましょう」洞窟から出た一行が出来るだけ離れる 


ミトア「この辺りなら大丈夫でしょうか」


スレイ「ハァ…ハァ…流石のアグニとボロでも厳しいんじゃ…」


ミトア「アグボロさんなら大丈夫です!そんな事より治療を!」持っていた薬品などを使い応急処置を施す 


ウォルデ「なんであんな連中が…」折れた腕を支えながら言う 


ガットア「危険人物だな…」突如地面が吹き飛ぶ 


ディア「な?!」ミトア「ギャアァ〜!」リサリー「な、何が…!」土埃の中アグニとボロが飛んでくる


ミトア「ア!アグボロさん!」


アグニ「あ?」着地し平然と歩いてくる 


ミトア「あ!あの人達はどうしたんですか?!」


アグニ「あ?ぶん殴って中いるぞ」


ミトア「そ、そうですか…」


リサリー「あ、あの二人を…一人で」


ノステア「ゼェ…ゼェ…まだ終わってないわよ…」ボロボロのノステアが現れて凄い剣幕でアグニとボロを睨んでおり、歩いて来る 


アグニ「もう一発か?」ミトア「だ、だめです!そんな!」


アグニ「なんでイチイチ止めんだお前は!」


ノステア「ハァ…ハァ…」ノステアがそのまま倒れる 


ミトア「だ!大丈夫ですか!」駆け寄るミトア 


ボロ「うーむ…」ミトアの行動を見るボロ


ウォルデ「おい!」


スレイ「あ!危ないよ!」


ディア「何考えてるんだ…!」


アグニ「なんなんだあいつ」


ミトア「声は聞こえますか?!」


ノステア「…うぅ」


ミトア「意識はありますね!」


リサリー「なんでそんな危険な…」


ノステア(この女何してんの…)そのまま意識を失うノステア

一時村へ帰り病院へ行き治療を受ける

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