第13話カナダリア
アグニ「そろそろ腹減ったな…」
ミトア「…?そういえば前より食べる量減ってないですか?ソウギョもそんな増やしてないですし、時間も朝食から結構経ってますし」
アグニ「そおか?」
ボロ「そうだな、体力や魔力が回復しているお陰だろう、際限無く食えなくも無いがそうすると生命が根絶してしまいかねんからな」
ミトア「どんな体ですか…」
ミトア(星を食べたり、神様齧ろうとする人達だからそれくらいが普通なんだろうか…)
アグニ「獲って来るちょっと待ってろ」
ミトア「え?!あ!」止めようとする前に飛んで行くアグニ
ミトア「最悪だよ〜…」
ミトア(こんな町中に大きな魔物持って来られても〜!)ギルドの前で頭を抱えるミトア
ミトア(そもそもこんなとこじゃ解体できないし!)しばらくギルドの前でオロオロするミトア
アグニ「獲って来たぞー!」
ボロ「すぐに調理を」大した時間も経たずに二十mはある、翼が無く前脚が発達し、ずんぐりした竜、カナダリアを持って戻ってくる
ミトア「あ〜!下さないで下さい〜!」地面に降りようとするアグニを止める
アグニ「あんだ?どうすんだよ」道行く人々が空中で静止する魔物を凝視する
ミトア「飛んだままちょっと待ってて下さい!」
アグニ「ああ?」
ボロ「どうするんだ?」
ミトア「いいですね!絶対下さないで下さいよ!絶対ですよ!」釘を刺しギルドの中へ走って行き、人の目も気にせず作業場へ駆け込む
ミトア「あー!いた!」何故か作業場に複数の人が集まっている
男性職員「おお!さっきの!あ、ほらこいつですよこれ持って来たの」
年配の男性職員「おお!まさか女とはな!」厳つい大柄の年配の男性が立っている
ミトア「追加で解体を頼みたいのですが!」
男性職員「おおいいぞ、持って来い」
ミトア「ちょっと大きくて…!この通路じゃ入らないんです!」
男性職員「ん?そうかじゃあ裏口開けとくからこっちから入れてくれ」
ミトア「ありがとうございます!」急いでギルド正面へ走る
ミトア「アグっ!あ〜!下ろしちゃダメじゃないですか〜!」建物に尻尾が立て掛かり、頭が花壇を押し潰し胴体が道を塞いでおり人だかりが出来ている
アグニ「お前が遅えからだろ」
ボロ「早よせよ」
ミトア「す、すぐこっち持って来て下さい!」ギルドの裏手へ誘導する
アグニ「面倒臭ぇなー」渋々飛んで持って行く
ミトア「こっちで〜す!」誘導した場所へアグニがカナダリアを下ろしズシンと重い音と共に微かに地面が揺れる
ミトア「こ、これなんですが解体をお願いします…」
年配の男性職員「なんだ?!…カナダリアか!」
男性職員「俺は見た事ないんですが珍しんですか?このヘンテコな生物」
年配の男性職員「かなりな、ここから東にある縦の深さが数十kmという森の迷宮、奥地に生息する魔物だ、カナダリア自身の強さもそうだが、先ずたどり着くのが極めて困難な場所だ、その上、擬態をする為、拝める事など一生無いが…」
男性職員「すげぇな…」
年配の男性職員「あんたがやったんじゃ…無さそうだな…」ミトアを見た後、アグニを見る
アグニ「飯をくれー!」
ミトア「あ、はい!わかりました!すぐに!」ミトアがアグニを焼け石に水程度に宥める
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