第7話謎の魚と黒い血

アグニ「おい!獲って来たぞ!」飛んで来たアグニが着地する、片手に一m程の細かい鋭利な牙が並んだ赤い魚を持っている

ミトア「あれ…?…小さくないですか…?」魚を見て意外な大きさに戸惑うミトア

アグニ「お前が増やすだろ?」

ミトア「う、う〜ん、ま〜…そうですね…」

ミトア(当てにされても困るけど…建物壊す様な大きさじゃないだけまだいいか)

ミトア「ここじゃ火を焚いたり出来ないので離れましょう」

ボロ「そうか」二m程の大きな手になったボロがミトアを掴む

ミトア「…え?ギャアアーー!」人々の注目を集めながら三人が飛んで行く

アグニ「ここでいいだろ」街から離れた森にアグニが着地する

ミトア(このままいくといつかきっと寿命が度重なる恐怖で三十歳くらいで突如無くなって死ぬ…!)

アグニ「おい、こいつだ」アグニがミトアの顔に魚をピタッとつける

ミトア「うわっ!匂い取れなくなったらどうるんですか!」顔にくっつけられた魚に焦り飛び退く

アグニ・ボロ「飯…」二人がミトアを見て呟く

ミトア「わかりましたよ…ハァ…」

ミトア(私の人生に平穏は無いのだろうか…いや!いつかきっと来る!そう信じて生き抜こう!)強く生きると心に誓うミトア

ミトア「…すみません、これなんて魚ですか?」見た事も無い魚について聞いてみる

ボロ「美味である事は知っている、名前など知らん」

ミトア「アグニさんは?」

アグニ「昔獲ったらウマかった」

ミトア(情報すくねー!何この魚!なんか異様な圧力を感じる…!食べていいんだろうか…)死してなお、絶対王者の様な空気感を放つ魚

ミトア(なんだろう…持った重さはそこまで重くないのに切ると、物凄く重い感じがする!)謎の魚を捌いていく

ミトア「出来ましたよ」謎の魚を目一杯増やし数種類の料理が完成する

アグニ「うほほー!」

ボロ「滅多に見つからん魚がこんなに!」

先に食べ始めるアグニとボロ

ミトア「いただきます…パクッ…ッ!」刺身で何もつけず、そのまま食べてみる

ミトア(なにこの旨味!まるで深海に居るありとあらゆる魚の旨味を凝縮したように複雑で深い味わい!噛めば噛むほど旨味が溢れ出てくる!…ッ!あれ?!噛んでたら突如口の中でほどけて溶けた!飲み込んでもその存在感が失われないなんて…!)

ミトア「一切れでコレなんて一体なんの魚なんだろう…」疑問を抱き呟く

ミトア「次は醤油で…ッ!」醤油をサッと少しつけて食べてみる

ミトア(ほぼ感じない程度の魚臭さが消えた!そして魚の味を引き立てる!完璧!)

ボロ「おい何だ、その黒い血は?」

ミトア「これは血じゃないですよ、豆を塩で発酵させた物?です」

ボロ「合うのか?」

ミトア「最高に…!」

ボロ「儂にもくれ」小皿に醤油を入れボロに渡す、ボロから小さい手が生えてきて、器用に箸を使い刺身に醤油をつけ枝の先端の口?らしき物に運び、咀嚼する

ボロ「なんと美味であるか!この黒い血は素晴らしい!」そう言ってボロが醤油を直接指につけて舐めてみる

ボロ「どぅえっ!なんだこれはっ!しょいな!」

ミトア(しょいって…何?)

ミトア「そのままだと塩辛いですよ」

ボロ「ぬー…!不思議な物だ…」

三人が謎の魚を堪能し食事を終える

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