第6話飛んでキンジン

パラズの町から飛んで来た三人 

アグニ「おい!起きろ!」

ミトア「え?…は!い…生きてる」

ボロ「極上があるのはこの街か?」

ミトア「え?あ、そ、そうですね…」

ミトア(大した時間も経ってない…一体どんな速度で…殺す気か!でも結構お店の近く…)

アグニ「…おい」ミトアを急かすアグニ

ミトア「はいはい、わかりましたよ」目的地へ向かい歩き出す

ボロ「ここはさっきの町よりずいぶん発展しているな」規則正しい石造りの街並みと道にに思い思いの綺麗な服を着た人々が歩いている

ミトア「そうですね、この国はかなり発展している方です」

アグニ「おいあれ食われて走ってるぞ」アグニが何かを見てそう言う

ミトア「あれは車という物で人を運ぶ為の乗り物ですよ」説明しながら大通りを歩いて行く

ボロ「儂らがおらん間にずいぶんと色々生まれたな…」ボロが周囲を観察する

ミトア「単純に発展したのもありますが…」

ミトア「あ!ありました、あのお店です!」駆け寄り店に入る、店に入り席に座る

男性店員「注文は?」

ミトア「キンジンをあるだけ下さい!」

男性店員「は?あるだけ?」眉を顰める店員

ミトア「はい!」

男性店員「いや…食べられんの?」

ミトア「大丈夫です!」

ボロ「ささっと持って来い若造」

男性店員「…」店の奥へ行く店員

男性店員(なんだあの赤い魔人…!偉そうに!)

ミトア「ボロさんダメですよ!そんな言い方しちゃ!」

ボロ「ささっと持ってこんからだ!」

アグニ「まったくだ!」

ミトア「ホントお二人は我慢という物が…」

ミトアがふと思う

ミトア「あの、もしかして今までに腹が立ったりして国を攻撃した事とか有ります?」恐る恐る聞いてみる

ボロ「攻撃なんぞある訳ないだろう」

ミトア「ですよね〜」

ボロ「滅した事なら何度かある」

アグニ「ムカつくからな」当たり前の様に言う二人

ミトア「ほろ、ほろ…!」二人の発言に聞かなければ良かったと思うミトア

男性店員「お待たせしましたー」両手のトレイに大量の表面がプルンとした黄色いお菓子が来る

アグニ「きたー!」

ボロ「やるではないか若造!」

男性店員「どうも…」

男性店員(若造ってお前見た目変わんねえだろ…でも、悪い奴じゃないのかもな…)褒められ、まんざらでもない店員が三人の前に並べて行く

アグニ「あんっま!何だこれ!」

ボロ「チョコレートとやらも甘かったがこれもなかなか!甘美!」

ミトア「お二人とも静かに食べてくださいよ変な目で見られてるんですけど」周囲の目を気にするミトア

ボロ「気にするな」二人が卓上いっぱいにしたものを何度もおかわりする

アグニ「いやーアマ過ぎて、もうイラネー」

ボロ「儂もだ」

店のキンジンが無くなり完食する二人

ミトア「全部食べといて何言ってるんですか」

ボロ「甘味を食し過ぎた、塩濃い物を所望する」

ミトア「へ?」

アグニ「俺もだ」

ミトア「いやいやいや!さっきご飯食べたでしょう!それにこれ払ったらそんなお金残ってないですよ!」二人の発言に焦るミトア

アグニ「…」ボロ「…」静かにミトアを見る二人

アグニ「あれ壊したらどうなるんだろうな」ビルを見ながら呟くアグニ

ミトア「そういう事はしないと言ったでしょう!」

アグニ「ボロは言ったけど俺は言ってねえ」

ミトア(二人組の詐欺師め…!)

アグニ「気にすんなすぐ獲って来てやる」

ミトア「解決になってないですよ!」とりあえず会計をして店を出る三人

アグニ「行ってくるからちょっと待ってろ」

ミトア「はいはい…」諦めて返事をするとアグニが飛んで行く

ミトア「はぁ…いいや、休憩しよ」店横の長椅子に座って風景をなんとなく見てボーッとする

ミトア(人に建物に、車、色んな人がいて皆幸せそうだな〜…)

ミトア「…っは!忘れてた!こんな街中にデッカイ怪物みたいなの降ろしたらマズイ!アグニさんなら絶対やる!」事態に気付き慌てふためく

ミトア「マズイよマズイよ、どうしよ〜どうしよ〜」

その場をぐるぐる意味なく走るミトア

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